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38/44

38希望と時間


「そいつは無理ってもんだ」

「なんでさ」


 ガンバスの口からでた条件は3つ

 ・素材となる魔鉄鉱がない。

 ・教会で神の力を借りる必要があるが信仰心がこれっぽっちもない

 ・鍛冶屋じゃないから聖“剣”はつくれない。



「それなら、ひとつめの問題さえ解決すればなんとかなるかもしれない。魔鉄鋼はどうやったら手に入る?」



 額にシワを寄せるガンバス。

 あまり市場には出回らずそのほとんどを国が所有しているそうだ。



「騎士団の武器に使われているようだが簡単に手に入るものでもない」



 騎士団。

 王国の精鋭たちが持つものとなると確保は難しいか。



「ならこれを使うといい」



 え?

 甲冑の奥から耳を疑う言葉が聞こえたような。

 ジャストは当然とばかりに続ける。



「どれくらいいるんだ? 俺の大剣では足りないか?」



 そうだ。

 こいつ騎士団に所属していたんだった。

 驚きを隠しきれていない手でガンバスが大剣に触れる。



「確かに魔鉄鋼が使われている」

「いいの?」

「ああ、正義のために使うなら是非もない。それにスターシャと言う女に勝つためには俺も変わらなければならない」


「残りの条件はどうする? お前に信仰心があるともおもえんのだが」

「これっぽっちもないよ。でも僕には権利がある」



 僕は生まれてから師匠に会うまで不幸しかなかった。

 理不尽な運命に耐えて耐えて耐え続け、そしてまた理不尽が立ちはだかっている。


 そう。

 僕には神に物申す権利くらいあるはずだ。



「権利とはまためちゃくちゃだな」

「教会へ行こう」



 教会までの道中で聖剣の成り立ちを聞いた。

 ガンバスの先祖は教会で最高の剣を作りたいと願うと神の声が聞こえたそう。

 神と交渉した結果、代償として命を捧げると誓い。聖剣が完成した翌日に亡くなったそうだ。


 権利だなんだと言ってはみたが一筋縄ではいかないだろうな。


 そうこうしているうちに教会へ着いた。

 偉そうな神父をつかまえて事情を伝える。



「そうですか。祈りを捧げるのは結構ですが神の声を賜ることは出来ないでしょう」

「信仰心の問題でしょうか?」

「いえ因果の問題です。神と関わりのないものに神はお告げをあたえません。それに私も七ヶ月ほど前から何も聞こえなくなりました」



 僕の肩をつかんだガンバスが前にでる。



「俺の先祖は神の声に導かれ聖剣を作り上げたんだが駄目か?」

「可能性は低いです」



 少しでも可能性があるなら祈るさ。

 祈り方なんて知らない。

 ただ心に思う。



 なぜ僕には親がいない?


 なぜ奴隷に落とされなくちゃならない?


 なぜお遊びで手足を切られる?


 理不尽だ。


 神に責任があると言っても過言ではない。


 引っ込んでないで――――出てこい!



『むちゃくちゃ言いやがるな』


 頭のなかに響くように声が聞こえる。


『呼び出しておいてなにもないのか?』


 もしかして神様ですか?

 因果がなければいけないってのはデマだったようだな。


『神父が言っているのはホントさ。お前の幸運値マイナスなんだぜ』


 幸運値?


『どれくらいラッキーかってことだ。マイナスなんて普通ありえない。前の神が細工していたんだよ』


 理解が追い付かない。

 つまり僕奴隷に落ちたのも手足を切られたのも


『前の神のせいだろうな』


 そうか。

 だが最近は逃げ出せたり強くなったり進歩がある。


『ほんの少し前だ。俺様が前の神を殺し一時的に幸運値が反動で爆上がりしている』


 まさか。

 それってどれくらい前のことですか?


『地上と神界では時の流れが違う。聞いても理解できんだろ』


 神父とは会話しましたか?


『いや俺様と神父では因果がないからな』


 神父は7ヶ月前から声が聞こえなくなったといっていたが、それは僕が見世物小屋から逃げ出せた時だ。


 つまり


『俺様はお前の救世主ってわけだ。で何しにきた?』



 聖なる武器をつくる、加護をあたえてほしい。


 神は顎に手を添え考える素振りを見せると頷き僕の目を見る。



『いいだろう。ガンバスと言う男にあたえればいいんだな?』


 はい。


『お前の被害を考えても余りある加護だ。引き換えに俺様の使徒になれ』


 わかりました。


『内容も聞かずに即答か。言っておくが幸運値は普通の人間程度に落ちているからな』


 マイナスでなければ十分。



『そうか。ではせいぜい頑張れよ』




「…………ク! ハ…………ク! ハルク!」


 僕の肩を揺さぶるガンバスが額に汗を浮かべている。

 ちゃんと聖なる加護をもらえたのか。

 神父は開いた口が塞がらないと言ったところだ。


「信じられない。お二人とも神の声が聞こえたのですか?」



「作れそう?」

「急に頭に声が響いたかと思うと加護を与えるとかいってすぐひっこみやがった。確かに加護はもらったが俺は剣を作れないんだ。神さんにも言ったがお前に策があるの一点張りだった」



 ガンバスは鍛冶屋じゃない。

 剣を作れない。

 だから聖剣と同じ力をこめた別の武器をつくってもらうつもりだ。



 もうすぐ。

 リリ、僕が行くまでどうか無事でいてくれ。


面白くなりそう!

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