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37再起と聖剣


 最後に観たのはリリが聖剣に貫かれる姿だった。


 どこぞと知れない路地でひとり絶望にうちひしがれる。

 また失ったのだ。

 師匠ボトムスの時のように。


 終わりだ。

 もう生きる意味もない。



「おい。食え――おっと手もないんだったか」



 僕のとなりで赤い果実をさしだすジャスト。



「やめてくれ僕はもういい」



 こゆい眉を歪めて僕を見つめるジャストは綺麗な姿勢のまま鎮座する。



「俺は正義を重んじる。主の命だと罪人でないお前に敵対したことを詫びたい。すまなかった」



 深々と下がる頭に興味はない。

 ただリリを返してほしいだけなんだ。

 ジャストは奴隷として主に従っただけなのはわかっているが苛立ちを隠せず表情がこわばってしまう。



 いや違う。



 僕の心の弱さが招いた結果だ。身と心だけを守っていれば良かったものをヤンへの復讐に駆り立てられ戦場へ脚を踏み入れた。



「取り返しはもうつかない。僕のせいだ」


「望み薄だが取り返しはつくかもしれない」



 何をいっているリリは刺されていた。結界も意味をなさず。あの状態で殺されない理由はないはずだ。


 だが今はその言葉にすがりたかった。嘘でも希望へ歩きだしたかった。



「リリは生きているの?」


「可能性は低いがな」



 ジャストは日本の指をたてて希望を口にする。



「ヤン様はふたつの命令を受けていた。ハルクの殺害と失踪聖女の生け捕りだ。もし――――」



 心臓が飛び出るかと思った。

 リリは失踪聖女。


 目的は分からないが聖女を探すニューインズが気づけばリリは殺されない。


 前のめりになった気持ちに身体が動くが手足のない僕は路地の汚い地面に倒れこんでしまう。



「行こう! リリのところへ!」


「あの女が聖女だっていうのか?」

「そうだ。必ず生きてる!」



 だがこのまま行っても返り討ちにあうだけか。

 少し冷静になった僕は身の振り方を考えることにした。



「リリは、聖女はどれくらい生かされると思う?」

「正確にはわからない。勇者の目的がわからんからな」



 ニューインズの目的。

 ふと頭に浮かぶのは『人類掌握』という言葉だ。

 ニューインズの手下だったドンクが一度だけ口にしていた。


 ドンクの目的かニューインズの目的かは定かではないが可能性は高い。


 だとしたら掌握が完了するその日までは生かされるか?

 楽観は危険だが。準備に時間をようするのもまた事実。


 賭けるしかない。



「僕に心当たりがある。しばらくは大丈夫……だとおもう」



 それはよかったと慰めの言葉をかけるジャスト。

 こいつは僕に対して罪悪感を抱いている。

 悪いが少し利用させてもらおう。



「戦うには手足が必要なんだ。魔導具屋ガンバスへつれていってくれないか?」



 驚いたように目を見開くジャストは小さく指を西へ向ける。

 指差した先を目で追うと目と鼻の先にあった魔導具屋。


 はは。周りがみえていないにも程がある。

 冷静でいなくちゃ救えるものも救えないな。


 僕が乾いた笑いをもらしたところでジャストは僕の足下に跪く。



「それと俺にも手伝わせてくれ。可能であれば騎士として」



 真面目だな。

 罪悪感だけで他人のそれも浮浪者の騎士になるっていうのか。

 

 だが好都合。

 手を差し出して申し出を受け入れる。




 手足を失った僕をみたガンバスか怒り狂ったのはいうまでもない。

 なだめるにのは骨がおれたがなんとか新しい手足を作ってもらえた。

 しかも心理士として得た全財産をほとんどつぎこんでバージョンアップ!


 僕もリリも火事の裁判に出席できないから没収される前に使い果たすって魂胆だ。



「問題は勇者と聖剣だな」



 この2つが組合わさると無敵と言っても過言じゃない。


 理由は4つ。

 ・致命傷をおっても数秒で完全回復にいたる自然治癒

 ・物理、魔力法則を無視した防御不能の両断

 ・ディーナー以上の身体能力

 ・超運命力



 本から得た知識だが過去の勇者がそうであったようにニューインズも同じかそれ以上だろう。


 勝つための条件があまりに遠い。


 今の僕じゃ傷ひとつつけられないだろう。



「せめて聖剣と同等のなにかが必要か……」

「いま聖剣って言ったか?」



 独り言に介入するガンバスは少年のような瞳をむけてくる。

 魔導具屋っていっても剣にまで精通していないだろうに。

 そうだよと軽くあしらい妥当勇者を再検討する。



「じい様がいってたんだがあれは俺の先祖が作った最高傑作なんだぞ。俺もいつかつくりてぇもんだ」


 目を閉じ感慨にふけるガンバスの言葉に衝撃が走る。



「聖剣作った家系なの?」

「そうらしいが?」

「作り方とかわかるの?」

「知ってる」



 なんてこった大ヒントがすぐそばにいた。

 ルーツや製造過程で弱点がわかるかもしれない。

 いやなんだったら――――



「ガンバス頼みがある。僕に聖剣をつくってくれ」



面白くなりそう!

更新頑張れ!


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