↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

78/82

ミケさんはもともとコピペさんの護衛なのです


「ミケさん聞いてください」


 随分早い時間の夕食である。


 コピペは開閉一番、ミケに愚痴りだした。

「ゼミに出席させてもらえません。なんとジュさんの個人授業です!」


「俺も言いたいことがある」

 ミケさんも不満がたまっているようだ。


「冒険者組合に行ったら、依頼された内容が『コピペ大神官の護衛』だった」

「は?」


「訳が分からないだろう? 俺はもともとお前の護衛だ。この町で危険がないから、自由にさせてもらっているだけだ」

「それ、同じ名前の誰かじゃあないですか? 大きな町ではよくあることですよ。『大神官』って……」


「……神殿で神官たちとすれ違うたびに、頭をさげられているだろう」

「ご丁寧ですよね。どこに行くにも、頭を下げっぱなしで疲れます」


 ああ……。ミケは遠い目をした。


 あの奇妙な腰をかがめたまま小走りで去るコミカルな動き。


「午後からの奉仕活動も禁止されてしまいました!」

「いや、それは不思議でもなんでもないと思うぞ」


「私、自分で気が付かないだけで、何か壊したりしていたんでしょうか? 『何かすることはありませんか?』って、聞きに行っても、『とんでもございません』って言われるんです」


 腕組をし、目をつぶって眉間にしわを寄せ、真剣に思い出そうとしている様子。


 嗚呼、駄目だ、こいつ。


 ミケはまず、今後のことを先に説明することにした。


「ドワーフ街の件、褒賞金は、出発するときに、神殿長の手渡しでくれるらしいぞ」


「お、セレモニーっぽいですね」


 感謝状とかくれるのでしょうか。


「ワイバーンで飛行可能な限界距離の村までは送ってくれるそうだ」


「そうですね」


 少し怖いが楽しみだ。景色が楽しめるだろう。旅は楽になるし、何より金貨一枚分、得したも同然だ。


「では、その日までに頑張って、日銭と大入り袋をゲットしないといけませんね!」

「……居酒屋のバイト辞めていないのか」


「辞めるはずないでしょう? 毎日それしか、していないのですよ?」

「……」


 今のところ、居酒屋の仕事をメインにやるほうが結果として効率がよさそうだ。認識阻害を使って他人様に成りすますも、結局賃金を受け取る時のサインでばれてしまうという欠点が発覚した。

 どうやって大入り袋をゲットするか、それが問題だ。

 飲食だけでは限界がありそうだ。たくさんのお客様を集めて楽しんでもらう、その方法を考えなくては。いくつかは考え付く。おばちゃん頭では少し古いやりかたにはなるけれど。


「あ、ミケさん。グッドアイデアを思いつきました」

「……一応、聞いてやる。何だ」


「護衛だからと、居酒屋に来て、肉を食べ、経費で落とせばいいんですよ! 店の売り上げにも、貢献できるし、ミケさんは肉をゲットできるし一石二鳥です」

「……」


 ミケの目が遠くなり、はあ、とため息をついた。しかし、


「……まあ、悪いアイデアではないな……」


「でしょう?」


 コピペ、どや顔である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。