魔物が町に入ってきた! バイトがあるのに
サービスが良かったのか、店内のムードは明るい感じになり、客も増えだした。
目指せ、大入り袋。
ミニ精霊ちゃん達は、何か学習したらしい。邪魔にならない程度の店内BGMを奏でている。後で大いに褒めて、歌って楽しませてあげよう。
しかし、今は目の前のお仕事優先。
今日も何事もなく一日が終わりそうで良かった、と思った時だった。
店の戸が開いて慌ただしくジュが飛び込んできた。コピペと目が合うや。
「ワイバーンが」
「店、代わって」
ジュの言葉を最後まで聞かず、彼に頭巾を押し付けるや否や、外へ飛び出した。
向かうのはワイバーンが行ったであろう神殿ではなく、ドワーフ街。
そんなはずでは、と焦りながら、体力に任せて全力疾走で街中をかけてゆく。
途中で、必死の形相で馬を駆け、神殿へ戻っていく騎士とすれ違う。「やはり」と、確信へと変わる。
ドワーフ街の入口でミケさんと合流。
ミケさんはすでに魔物を一体倒し、騎士たちが他の魔物にかかっているところへ向かおうとしていた。 とっさに、呼び止めた。
「何故? 泉の水はいっぱいになってる。魔物はこないはずなのに!」
「いや、泉の効果はでている」
ミケさんは魔物を指して言った。
確かに、魔物は激しく身を振って唸り、激怒しているように見える。
「トンネルの中に入った魔物は後から来た魔物に押されるようにここに出てきてしまっているようだ」
まさかの、ところてん状態。本当に想定外。そんなこと、考えもしなかった。
見た所、大きなミミズがうねっているような、得体のしれない魔物。六体いる。トンネルの入口から嫌がりながらも押されてなおも出てこようとしている。
「まだ、バイトの途中なのに!」
コピペの場違いな怒り。
自分で思っているより混乱しているのかもしれない。
「ドワーフ達はワイバーンと土竜を使って、崩落した場所を探し、これ以上魔物が入らないよう。埋めに行った」
「うまくやってくれることを祈るしかないですね」
魔物が身をよじり前線にいた騎士を叩きつける。
悲鳴が上がった。




