安全対策マニュアル作成
次の日の午前、コピペは普通に授業に出ていた。
五日目である今日の課題は「トラブル別、対応策。獣人続編」。
トラブルねえ。
コピペは思った。
非常識な時間に神官長のもとを訪れようとしたコピペは当然のように、警備の者から厳重な注意を受けた。それでも、夜勤当番の高位神官には、要件を伝えることはできた。
朝一に神官長に話してくれるはずではある。
万が一、トンネルから魔物が入ってきたとして、と。目の前にある、白紙の用紙に仮想シミュレーション。
まず、出口であるドワーフ街はワイバーンの小型飛行場と、採掘した鉱石を出荷する前準備の倉庫5つ。
一晩泊めてもらった宿舎。
宿舎には、常時10人ほどのドワーフ、竜舎には5匹の竜、ワイバーンや土竜は常時いるわけではないが、いる可能性のほうが高いわけで。
人間や獣人が大勢で暮らしている区画までの距離。
食い止めるならこの間。非常時には、危険を知らせに、規定を無視してワイバーンで神殿か冒険者組合まで飛んでくる可能性大。それから、人を集めて間に合うか?
ん?
顔を上げると、目の前に先生の怒った顔。
「コピペさん、授業に身が入らないようですね?」
ごめんなさい……。
授業が終わるのを見計らうように、神殿長の使いという人が来た。
念のために、泉の水をツボに入れてドワーフ街へ運ぶそうだ。騎士たちも重点的にそちらに配置するという。
水は泉から離れてしまったら魔物除けの効果はないはずなんだけれど、怪我人対策かな? 騎士が見ていてくれるのは安心できる。
-・・・-・・・-・・・-
「別の日に必ずやりますから」
と、奉仕活動を免除してもらって、面倒くさがるジュさんを連れて泉へ。
魔物が近寄らないようにするには、泉の水の強化が一番、単純かつ効果的だと思う。
泉の周りを守っている警備の騎士たちが、生徒神官が二人だけで来たのを、、怪訝そうに見ている。ただで回復するんだから文句ないでしょう。
「え? ただ?」
ジュさんはものすごく不満顔。
バイト先の居酒屋のビールと揚げたて鶏をおごりますから。私も、いっしょにやりますから。
手をかざし祈る。ジュさんも渋々真似をする。
ちゃんとやりなさいよ?




