私、神官むいてないかも(読み飛ばしても〇)
少し離れた所で寝ているジュを横目で見ながらミケさんが
「あいつ、ほっといていいのか?」
と小さな声で聞いてきた。
いいんですよ。幸せの青い鳥は自分で探さないと、ですよ。目の前にあっても気が付かないのですよ。
元居た世界での話。宗教の勧誘に熱心な知り合いがいて、本当に迷惑したことがある。相手にしないでほっておいたら、一年後にガンで亡くなった。救われたかったのは自分自身。
「けど、お前。神官だろ?」
あああ~
そうでした。なんだか辞めたくなってきました。
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ゼミが終わるまでジュさん問題は棚上げ。
三日目の課題は「人を導くには」。
タイムリーですね。授業の前に他の生徒たちと少しお話しする時間があった。
神官名簿はやはりあるのだと。
それは、本山であるハムズ王都で、自分で登録する場合と、旅の人や巡礼中の神官に頼む場合とがあるらしい。旅の途中で、配達人が亡くなるケースもあるので、人に頼むときには番号をふって、三通は出すそうだ。
どちらにしても、神官を名乗るなら、出し直ししたほうがよさそうだ。
頼まれた人が礼金だけ持ち逃げする場合もあるのでは、と聞くと、受け取る側の本山の神殿も礼金を払うらしい。
「あたしはやめとくかもしれない」
女生徒が言った。
「信力も少ないし、自他ともに認める、の条件に合うと思えないし、それに旅は怖いし」
「俺は、信心深い親に言われてとりあえず来てる。髪白くして伸ばしてると、近所に自慢できるのだと」
「ぼくはこの道で頑張ってみようかなと、思っている。例の神話はちょっと、と思うけど。でも、考えたら本当に酷いことだって思うし。でも、登録は旅の人に頼むかな。自信ないし」
いろいろなようだ。そして、ジュさんは寝てる。
先生が来た。誰か年取った神官を連れている。貫禄がある。もしや。
「はい、皆さん」
先生が言った。
「今日は、チンチラ神殿長のご挨拶があります。静粛にね」
ちらりとこっちを見た。
心外な。大人しくしてますってば。




