ジュさんは不真面目な人だけど(読み飛ばしても〇)
門を出たら、警備していた騎士に声をかけられた。
「神殿の中で騒いだ奴って、お前か」
あれ? ミケさん? なんで? 冒険者組合で仕事をもらうって言ってましたよね?
「前任者が産休とかで、えっと、委託? 派遣?」
ああ、そういう扱いになるのですね。
-・・・-・・・-・・・-
その日の夕食は無言。何故か、三人、ジュもいる。
食堂も大部屋、寝室も大部屋、どちらにしても、無料で利用している人はどこかにいるものだし、立たされた後の流れで何となく、だ。
ジュは自分の皿に、大きい肉を見つけ
「食堂のおばちゃん、マジ、神」
などと言っている。
若者言葉、似合いませんってば。いくつですよ。
「まさか冒険者組合に登録して、神殿に派遣されるなんて思ってもみなかった」
珍しくミケさんが愚痴った。
「ミケさんなら、務まると思われたんですよ。読み書きできるし、気も利くし」
ありきたりの慰めしか出ないが、一応言ってみた。
「警備というのは、ガタイがいい奴がするものなんだ。いるんだぞという警告も兼ねているのだから」
ミケさん小柄ですものね。
「いいんじゃね?」
ジュさんが無責任に言う。
「立ってて給料貰えるんだから」
警備員さんの苦労も知らないでよくそんなこと言えますね。
「じゃあ、ジュさんがやればいいじゃあないですか。本当は気乗りしないんでしょ? 神官職」
ガタイもそれなりにあるし。
「気乗りしねー」
あ、ぶっちゃけた。ここ一応、神殿ね。
「スナ村は信心深い所で、男は成人したらとりあえず巡礼に行けと放りだされる」
え、まじ? 貴重な男手なのに?
「大抵、最短コース廻って5年以内に戻って別の職に就いたり結婚したり」
すればいいじゃないですか。
「あんなあ、俺こう見えても信心深いタイプ」
絶対、嘘ですね。
「けど、深ーく考えたら、思っちゃったわけ。『ぜってー神様いねえ』」
あ、それ言っちゃいけないやつ。しかもここ神殿。
こういう話って、答え出ないから長話になるし、人によってはちと面倒臭いことになるから、スルーしといたほうがいいやつ。それに、そういいながらも神殿に居続けているのは、いると信じたいから。いると言ってほしいからだ。
けど、ここは無言。
黙ってスープ飲んで席を立った。




