私が神官で本当にいいの?
「……そうですな」
しばらくして読み終わった後も、考えあぐねているようだ。
「……そうですな。神官とはどのよう者であるかまずは、ご存じで?」
神殿にいて、人々に奉仕する者と、巡礼に出る者がいること。巡礼は五か所以上の遺跡を巡り奉仕活動をしないと、いけないこと。ある程度、信力を持っていること。それまでの、名前を捨てて生きていくこと。
コピペが知っているのは、プレーリ神官から聞いたことが全てである。
「そうですな、概ね合っておりますな」
初老の神官はうむうむと頷きながら言った。
「巡礼はそもそも遺跡のどこかにいるだろう神を探し出し、お詫びとお礼を申し上げるという、意味合いで、始まったものなのです。もう今ではただの形式と化してしまっておりますが」
え、まじで、お遍路。
「名前や身分を捨てるというのも、いなくなってしまった神の代わりに自分を捨てて働くということを意味しております。記憶を無くされ不安でしょうが、考えようによっては、自分を捨てるという意味で教義に沿ったものであるとも思えます」
なるほど。
でも、そもそも本当に神官なのか分からないのですが?
「別段、試験などがあるわけではないのですよ。自分自身と周りの者たちが神官であると認めれば神官です。たまに神殿を安宿替わりに利用しようと神官を名乗る者もおりますがね。普通に冒険者や商人・職人として生きるほうが娯楽もあるしでよいと考えられていますね」
なるほど。
言いくるめられた気がしないでもないが。
「そうですな、自信が持てないというのであればこういうのもございますぞ」
懐から、何やら取り出した。なになに………。
「……初心者の方、復習しておきたい方へ。自信のない貴方もこれでばっちり。十七日間、短期集中コース、金貨一枚、期間内の神殿での労働もしくは泉回復でも可、聖堂左横小ホールにて随時受付、お待ちしています。 チンチラ神官長」
……? 教習所? ……ゼミ?




