現実世界のコピペですね?
上空から明かりをざっと数えた感じでは家は千軒を下らなかったと、ミケさんが言うと、ドワーフはちっちっと人差し指を振って、出入りが激しいからはっきりした人口は分からないが、三万人はいる、と言った。
「へえ、三万」
「えええ!! 三万!!」
コピペさんとミケさんの、驚き方に差があるのは仕方がないところだ。それでも百人単位で村や集落として成立しているこの世界では、まさしくけた違いと言えた。
ドワーフは歩きながら、ざっくり町の案内や説明をしてくれた。慣れているのだろう。基礎的な知識に欠けたコピペさんにも、すんなりと分かりやすかった。
人族約二万、獣人族約一万で構成されているこの町は娯楽と商業を主とし、その周辺では農業、林業、酪農で、その町の生活の基礎を支えている。
「騎士」という名の警察が治安を取り締まり、「神殿」という名の裁判所、兼、市役所が、有効に機能している。
道のほとんどが、レンガのようなもので固められ、そうでない所も、土が固く整地されていて、馬車などが通りやすい道幅が確保されている。これらの行政を誰が担っているかというと、なんと組合のようなものがあるのだという。
あ、貴族とか王様じゃあないんだ。
そして、初めて神殿らしい建物を見た。
「……」
レンガ三階建てビル? 柱には鉄骨らしき素材も。
「まあ、周りには木が植えてあるし、花壇もあるし」
「出入り自由っぽいですね。入ってみますか」
昨日、竜の背中から見た滅びた神殿はいかにも雰囲気のある城だったが、これは実質剛健というか。割と多くの人の出入りがある。出入口は広めにとってあり、警備らしき騎士が二人ついていたが、わざわざ呼び止めたりもしない。
付いてきてくれたドワーフには礼を言って、ここでお別れとなった。
ドワーフは小さなメモ用紙をくれた。
見ると料金表だった。
「……初乗り銀貨二枚、二キロ銀貨一枚、チンチラ町周囲百キロまで。二人以上もしくは五十キロ以上のご利用で一割引き。快適な旅を、ドワーフ運送」
タクシー?
神殿に入ってみると空気はひんやりして湿度はカラッとして意外と快適。入ってすぐに、案内窓口。広い空間があって、ずらりと一番窓口・二番窓口・三番窓口。
まんま、市役所ですね。
ミケさん、固まっている。コピペ、案内窓口へ。カウンター越しに
「巡礼中の神官なのですが」
と声をかける。
「はい、お疲れさまでした。二番窓口へお願いします」
犬獣人のお姉さんが頭を下げる。
「ありがとう」
「どういたしまして」
二番窓口へ向かう。見るとその前に椅子が。背もたれに数字が書いてある。なるほど。三番の次の椅子が空いている。座って待つ。前から順番に、呼ばれて用事を済ませていく。
「次の方」
順番が来たようだ。




