チンチラ町の美しい夜景
昔、ここに住んでいた人々はどうなってしまったのだろうと思うと、こうやって観光するのも申し訳ない気分になったが、ミケさんは興味があるようで真剣に観察を続けていた。
「この国は魔物のスタンピードによって滅んだという説もあるし、魔素が急に湧き出したためという説もある」
まあ、なんせ昔のことだからな、と無責任に話を続ける。
実はこここそが伝説の神監禁事件の場所である説。
神を閉じ込めてエネルギーを利用して、その怒りに触れた説。
人間族以外の種族が怒って攻め込んできた説。
巨大な竜が城に突っ込んだ説。
歴史とはいつでもミステリーなのはどの世界でも変わらないお約束のようだ。
知らないうちにウトウトしていたのか、気が付くと辺りが暗くなりかけていた。
「乗竜にも慣れてきたのですかね」
余裕ぶって、ドワーフに話をふってみると、はっはと笑ってかわされた。ミケさんが小さな声で、
「意識がとんでいたぞ。大丈夫か?」
と言ったのは聞こえなかったことにした。
「あっち見てみな」
ドワーフが指さす方向に明かり。
「あれがチンチラ町だぞ」
最初小さく見えた明かりは、近づくにつれだんだん大きくなっていき、そして、辺りがますます暗くなっていくと、その明かりの多さが分かってきた。
「これはすごい」
ミケさんも初めて見る規模の町に驚きを隠せない。
まさか、異世界でネオンの夜景を見るかと、コピペもびっくりだ。
「綺麗ですねえ!」
「これだけでも、金貨一枚の価値はあっただろ?」
親指たてて得意顔。
本当に、そうですよ。
竜は暗い中を迷わず小型飛行場のような場所へ着陸した。
「おう、お疲れ」
わらわらとドワーフ達が近づいてきて、竜からコピペたちを手早く開放し、竜たちを連れて行った。
少し離れた場所では体のでかい土竜をエサで誘いながら、竜舎へ入れている。
ん?
見ると、トロッコの連結部分を外して一つずつを地竜にひかせている。
ここはトンネルの最終地点でもあるようだ。トロッコ用のレーンは最終的に五つのレーンに分かれ、それぞれが、倉庫につながっている。
地下の町から採掘した鉱石はこうやって出荷されているのか。よくできている。
「ここはチンチラ町の外れで、俺らドワーフが仕切っているその名もドワーフ街だ」
ここまで案内してくれたドワーフが言った。
「もう暗いから、俺らの宿舎に泊まっていけや。明日、神殿までなら案内してやるよ」
ニヤリと笑って。
「サービスだぜ」
ただなら、なおさらよろしくです。




