ダさんはくまさんと話して少し冷静になる
前回に引き続き、くまさん視点で進みます。
「『お前たちのせいでプレーリ神官はテグウ村で監禁されている。
お前を連れてこないと返さないと言われた。
ルと、獣人町まで急ぎ戻ったが、お前たちを追っていると感づいたシムが、ルを捕まえやがった。
報酬の金貨はオオカミ族を雇うのに使わなければならんかった。
ちょろちょろと逃げ回りやがってくそったれ』
だいたいでいい。こう伝えてくれ」
「そうか」
「頼んだぞ」
「聞いてもよいか」
「なんだ」
「事情は、よく分からんが、なぜテグウ村の言うなりになっている?」
「なに」
ダは意外なその言葉にたじろいだ様子だったらしい。
「お前の神官を捕まえているのが、テグウ村なら、雇ったオオカミ族はそちらに向かわせればよかった。ル……? ルを捕まえているのが獣人町ならそちらに向かえばよかった。単純な話だ」
「……確かに」
ダは考え込んでいた。
少しの間、クマ族の男とダは話し合ったそうだ。
その時の、ダのまとまりのない話は独白っぽかったそうだが、まとめるとこんな感じ。
熊族の男の言葉は単純ながらも、的を射ているように思える。
自分はなぜこれほどに、コピペ神官を捕えねばならない気がしているのか。
冷静さを欠いていたのか。
最初に獣人町までルと戻った時に、金貨を払い獅子族たちを雇い入れて、協力してもらう方法もあった。
自分は生涯で見ることもないであろう奇跡を見た。
そのせいで、我を忘れていたのか。
獣人町でさらにその奇跡を見た。コピペ神官が金の生る木に見えたのか。
一時、仲が良くなったように見えたのに、同じ神官の者にさえも、その信力を隠していたことに、憤りを感じたのか。
最初からその信力を見ていたらどうだっただろう。あんなにあっさりと別れられたのか。
「うちの神官を取り返す方法については、もう一度計画を練り直す」
ダは考えながら言葉を口にした。
「しかし、コピペ神官を探すのをやめる気はない。まずは仲間の救出を優先させるだけだ」
クマ族の男は、ダがオオカミ族の男たちを連れて去っていくのを見送った。
どうやら、厄介ごとを、うまく躱せたようだ、と思ったのだそうだ。
芋を抱えなおし、いとこの家に入る。
家の中はひどく荒らされていた。うめき声がする。いとこが倒れている!
「野蛮人め」
と吐き捨てて、いとこに駆け寄った。
「大丈夫か」
大丈夫には見えない。
「あいつら行ったか」
いとこが言う。
いとこの大きな体を抱き起し、怪我の深さを観察する。
少しだけでも回復の泉の水を利用したほうがいいと判断する。よほどの怪我でない限り、許されていないが。
「あいつら匂いを追ってここまで来た」
いとこは言う。
「この家から匂いは外へ出て行った。それをたどれた筈なのに川のところで見失ったと、戻ってきて暴れやがった。知るもんか」
にやりと笑う。
「待ってろ」
家の中から、空の酒瓶と浅い茶碗を見つけて持っていくことにした。
「泉の水を、汲んだら、すぐ戻る」
話の最後の方で、どうしても他人目線からの話が欲しい所があって、コピペ目線に統一すると違和感がでてくるんですよねー。困ったー。でも、主人公目線の話は書きやすくて好きなんですー。(*´з`)




