恐れ
夏になってきたので、プールに行く。
絶対に、何言われても、誰が止めてもだ。
まず水着を決める。
派手なものはだめって小学校で習ったから地味なのにしよう。
地味にするなら一色に揃えるべきだ。
家のクローゼットに飛び込んで暴れまわって探す。ハンガーとかがぶつかりまくって痛い。
みーつけた。
満面の笑みで見つけた水着に向かって言う。ハンガーとぶつかりあったせいで血がついて真っ赤な水着になっている。
これじゃあ華美になってしまうじゃないか。
まーいーやー!
血でベトベトの水着を着る。
当然家から水着で歩いて行く。
プールについた。水着が赤いせいでプールに入っている人全員がこっちを蔑むような目で見つめてくる。市民プールにしなきゃよかった。
何が悪いか?
そう開き直りながらプールに飛び込もうと思う。せっかくなので飛び込み台から飛んでみる。一番高いところに来た。5メートルはあるらしい。
俺は全身の動かせるありとあらゆる関節を動かし、奇声をあげながら重力に任せて飛ぶ。飛び込む直前の監視員の軽蔑するような目が面白かったのだ。
バッシャーーーーン!!!!
今世紀最大の飛び込み音を出し、周りから拍手が聞こえる。
しかし、悲鳴が聞こえてくる。
水着についた俺の血がプールに広がり、死んだと思われたらしい。
警備員が来た。
生きてることに驚いて文句を言ってきた。
何だこいつ、すごい怖い。




