中国の二つの運命 (一九四五年四月二十三日)
これは、毛沢東同志が中国共産党第七回全国代表大会でのべた開会のことはである。
同志諸君。中国共産党第七回全国代表大会がきょうここに開会された。
われわれのこの大会は、どんな重要な意義をもっているだろうか。こんどの大会は、全中国四億五千万の人民の運命にかかわる大会だというべきである。中国には二つの運命がある。その一つについては、ある人がすでに本を書いた〔1〕。われわれのこの大会は、中国のもう一つの運命を代表するものであり、われわれもこれについて本を書く〔2〕。われわれのこの大会は、日本帝国主義をうちたおし、全中国人民を解放するためのものである。この大会は、日本侵略者をうちやぶり、新中国を建設する大会であり、全中国の人民を結集し、全世界の人民を結集し、最後の勝利をかちとる大会である。
現在は時機がひじょうによい。ヨーロッパでは、ヒトラーがうちたおされようとしている。世界の反ファシズム戦争の主要な部分は西方にあるが、そこでの戦争はもうすぐ勝利する。それはソ連赤軍の努力のたまものである。ベルリンではすでに赤軍の砲声がきこえており、まもなく攻めおとされるであろう。東方でも、日本帝国主義をうちたおす戦争が勝利にちかづいている。われわれの大会は、反ファシズム戦争の最後の勝利の前夜にひらかれているのである。
中国人民のまえには、二つの道、光明の道と暗黒の道とがよこたわっている。中国には二つの運命、光明の中国の運命と暗黒の中国の運命とがある。いま、日本帝国主義はまだうちやぶられていない。日本帝国主義をうちやぶったとしても、やはりつぎのような二つの前途がある。独立、自由、民主、統一、富強の中国、すなわち光明の中国、中国人民の開放された新しい中国か、それとももう一つの中国、半植民地・半封建的な、分裂した、貧弱な中国、すなわちふるい中国か、である。新しい中国か、それともふるい中国か、この二つの前途は依然として中国人民のまえに、中国共産党のまえに、そしてわれわれのこんどの大会のまえによこたわっている。
日本はまだうちやぶられておらず、日本をうちやぶったのちにもなお二つの前途が存在するということであれば、われわれの活動はどうあるべきか。われわれの任務はなにか。われわれの任務はほかでもなく、おもいきって大衆を立ちあがらせ、人民の力を強大にし、結集できる全国のすべての力を結集して、わが党の指導のもとに、日本侵略者をうちやぶり、光明の新中国を建設し、独立、自由、民主、統一、富強の新中国を建設するためにたたかうことである。われわれは全力をあげて、光明の前途、光明の運命をかちとり、もう一つの暗黒の前途、暗黒の運命に反対すべきである。われわれの任務はこれ以外にない。これがわれわれの大会の任務であり、これがわれわれ全党の任務であり、これが全中国人民の任務である。
われわれの希望は実現できるだろうか。われわれは、実現できると考える。これを実現する可能性は存在する。なぜなら、現在、われわれには、つぎのようないくつかの条件がそろっているからである。
第一に、経験のゆたかな、百二十一万の党員を擁する強大な中国共産党がある。
第二に、強大な解放区があり、この解放区には九千五百五十万の人口、九十一万の軍隊、二百二十万の民兵がいる。
第三に、全国の広範な人民の支援がある。
第四に、全世界各国の人民、とくにソ連の支援がある。
強大な中国共産党、強大な解放区、全国人民の支援、国際的な人民の支援というこうした条件のもとで、われわれの希望は実現できるだろうか。われわれは、実現できると考える。こうした条件は、中国にはいまだかつてなかったものである。これまで長いあいだ、いくらかの条件はあったが、いまほどととのってはいなかった。中国共産党はかつていまほど強大になったことはなかったし、革命根拠地はかつていまほど多くの人口と大きな軍隊をもったことはなかった。日本および国民党の支配する地域の人民のあいだにおける中国共産党の威信も、これまでになく高まっているし、ソ連や各国人民の革命勢力も、これまでになく大きくなっている。これらの条件のもとでは、侵略者をうちやぶり、新中国を建設することは、まったく可能だというべきである。
われわれには正しい政策が必要である。この政策の基本点は、おもいきって大衆を立ちあがらせ、人民の力を強大にして、わが党の指導のもとに、侵略者をうちやぶり、新中国を建設することである。
中国共産党は、一九二一年に誕生してから、すでに二十四年になるが、その間に、北伐戦争、土地革命戦争、抗日戦争という、英雄的にたたかった三つの歴史的時期をへて、豊富な経験をつんできた。いまでは、わが党は、すでに中国人民の抗日救国の重心となり、中国人民の解放の重心となり、侵略者をうちやぶり、新中国を建設する重心となっている。中国の重心は、他のいかなる側にもなく、われわれの側にある。
われわれは、現在、全国人民を結集して日本侵略者にうち勝つために、また、将来、全国人民を結集して新民主主義の国家をうちたてるために、謙虚で、慎重で、おごりをいましめ、あせりをいましめ、誠心誠意、中国人民に奉仕すべきである。われわれがそのようにし、正しい政策をもち、一致して努力しさえすれば、われわれの任務はかならず達成できる。
日本帝国主義を打倒しよう!
中国人民の解放万歳!
中国共産党万歳!
中国共産党第七回全国代表大会万歳!
〔 ##注## 〕
〔1〕 蒋介石が一九四三年に発表した『中国の運命』という本をさす。
〔2〕 毛沢東同志がこの大会のために準備した『連合政府について』という報告をさす。




