小作料引き下げと生産は解放区をまもる二つの重要な仕事である (一九四五年十一月七日)
これは、毛沢東同志が中国共産党中央のために起草した党内指示である。
(一)国民党は、アメリカの援助のもとに、あらゆる力を動員してわが解放区を進攻している。全国的な規模の内戦はすでにはじまっている。わが党の当面の任務は、あらゆる力を動員して、自衛の立場にたって国民党の進攻を粉砕し、解放区をまもり、平和の局面をかちとることである。この目的をたっするには、解放区の農民がひろく小作料引き下げという利益をえられるようにし、労働者とその他の勤労人民が適当な賃上げ、待遇改善という利益をえられるようにすること、同時に、地主も暮らしていけるようにし、工商業資本家もなお利潤をえられるようにすること、また、来年大規模な生産運動をくりひろげて、食糧や日用必需品の生産をふやし、人民の生活を改善し、飢民、難民を救済し、軍隊の必要物資を供給することなどが、ひじょうにさしせまった任務となってくる。小作料引き下げと生産という二つの重要な仕事をりっぱになしとげてこそ、困難を克服し、戦争を支援し、勝利をおさめることができる。
(二)いま、戦争は規模が大きく、多くの指導者は前線で指揮をとっているので、小作料引き下げや生産にまで心をくばることはできない。したがって、分業をおこなわなければならない。後方にのこっている指導者は、直接前線を支援するいろいろな仕事をするほかに、時機を失することなく小作料引き下げと生産という二つの重要な仕事の手配をしなければならない。全解放区、とくに広大な新解放区では、大多数の農民大衆の革命的情熱をもりあげるために、ぜひともこの数ヵ月のうちに(冬季と春季に)大規模な小作料引き下げ運動をおこし、小作料引き下げを普遍的に実行しなければならない。同時に、一九四六年には、ぜひとも全解放区の農業と工業の生産の新たな発展をはからなければならない。新しい大規模な戦争があるからといって、小作料引き下げと生産をおろそかにしてはならない。それとは逆に、国民党の進攻にうち勝つためにこそ、小作料引き下げと生産に力をいれなければならないのである。
(三)小作料引き下げは、政府が恵むものであってはならず、大衆闘争によってかちとるべきものである。これが、小作料引き下げが成功するかどうかの鍵である。小作料引き下げのたたかいのなかでいきすぎの現象がうまれることはさけがたい。それが、ほんとうに広範な大衆の自党にもとづくたたかいでさえあれば、いきすぎの現象は、あらわれてから是正すればよい。そのときにならなければ、地主に生きる道をあたえ国民党を援助させないようにすることが農民と全人民にとって有利なのだということを、大衆に説いて理解させることはできないのである。当面のわが党の方針は、依然として小作料引き下げであって、土地の没収ではない。小作料引き下げ中でもそのあとでも、大多数の農民が農会に組織されるように援助しなければならない。
(四)大多数の生産者を生産互助団体に組織することは、生産運動が勝利する鍵である。政府が農業貸付金、手工業貸付金を出すことは、どうしても欠くことのできない措置である。農期をたがえないこと、農作業のおくれを少なくすることも、きわめて重要である。現在は、一方では戦争のために民力を動員しなければならないし、他方ではできるだけ農期をたがえないようにしなければならないのであって、調整の方法を講ずる必要がある。部隊、機関、学校は戦争、仕事、学習をさまたげないことを条件に、やはり適当に生産に参加しなければならない。そうしなければ、生活を改善し、人民の負担を軽減することはできない。
(五)われわれはすでに、いくつかの大都市と多くの中都市を手にいれた。これらの都市の経済を支配し、工業、商業、金融業を発展させることが、わが党の重要な任務となっている。この目的をたっするには、いま社会にいるすべての有用な人材を活用すること、かれらと協力しかれらから技術と管理の方法を学ぶよう党員を説得することが、ひじょうに必要である。
(六)あくまで人民と一体になり、人民の経済的困難に関心をよせ「小作料引き下げの実施と生産の発展という二つの重要な仕事を、人民の困難解決をたすける重要な鍵とすれば、われわれは人民の心からの支持を得ることができ、反動派のどんな進攻にもうち勝つことができるのだということを、党員におしえなければならない。何ごとについても、長期間もちこたえるという点から考えて、人力、物力をたいせつにし、すべてを長期計画でやるようにすれば、われわれはかならず勝利することができる。




