アリスをクビにしてやりたい
「それで……何するんです?」
アリスは、アルテミスに尋ねる。
「それはもちろん。少女を探すに決まってるでしょ」
「だから、その少女を探すために何をするんですか……」
呆れたようにアリスは言った。
「確かに……」
「そういえば、依頼主さんの情報は持ってないのです?」
「まぁね。魔女探偵事務所は依頼主さんの情報漏洩防止に徹底してるから」
胸を張ってにアルテミスは言う。
「いや、いくら何でも徹底しすぎですよ……少しくらいは情報残しておいてください」
それから、アリスはアルテミスから依頼契約所を貰う。それから筆跡をまじまじと見た。
「これは、南東地方にあるバレス村の訛りが入ってる文字ですね」
それを聞いた、アルテミスは固まる。一体どういうことなのだろうか。
「えぇ……それでも、本当に探偵なんです?」
アルテミスを見たアリスは引いたように言った。
「バレス村には独特の文字があって、こっちの文字とよく似ているのでこういうぐにゃっとした感じの文字になることが多いんです。まずは、バレス村に言って依頼主さんの聞き込みをしましょう。依頼主さんの特徴は覚えていますか?」
「だから、魔女探偵事務所は依頼主さんの情報漏洩防止して……」
「私も、魔女探偵事務所所属なんですから、別に良いじゃないですか」
そう言っても、まだなってく出来てなさそうなアルテミスを見かねてアリスは手を伸ばす。
すると、アルテミスの立っていた床に魔法陣が浮かび上がった。
「ちょっと、何なになに?」
焦り始めるアルテミスをよそにして、アリスはこう言い放った。
『テレポート』
その瞬間、アルテミスは反射的に目を閉じる。
そして、次に目を開けた時。そこは砂漠の真ん中だった。
「う、嘘でしょー」
アルテミスは叫ぶ。でも、誰かが反応してくれるわけもなく。
アルテミスは、手元にに違和感を覚え、そこを見る。そこには紙が置いてあった。
『ここはバレス村の集落です。少女を探すため依頼主の情報を聞き込みし、名前など出来るだけ多くのことを調べてきてください』
その紙の下には、小さな文字でこう書き添えられていた。
『あ、そうでした。間違えてでも何の成果も出さずに帰ってきたら、私ここの探偵事務所辞めますね♡』
もう、アルテミスはアリスをクビにした方がマシなんじゃないかと思った。
でも、探偵としては優秀っぽいので、そう簡単にクビにするわけにもいかなかったのだ。
すると、足元に違和感を覚える。そこには、蛇が居た。
「うぇ……」
心臓の鼓動がいっきに早くなるのを感じる。
それから、アルテミスは全力失踪した。




