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ようこそ魔女探偵事務所へ  作者: 大拓 陽
魔女探偵事務所の新生活

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8/9

広告を出そう

「まずは、広告ですね」

 両手をパチンと鳴らして、アリスは言う。


「ところで、広告ってどういうことするの……?」

「いいえ、その前にやるべきことがありました。まずは、この探偵事務所の方針を決めなければなりません」


「例えばどういうの?」

「……そうですね。定休日とか、値段とか。そして、一番大切なのは事件性のある依頼は引き受けないこと」

 それを聞いて、アルテミスは方をブルっと震わせる。


「でも、私の事務所のお支払い方法は硬貨じゃなくて、寿命とか記憶だよ?」

「何故そこまで、それにこだわるんですか……だから、依頼が来ないんですよ」


「なんというか……、魔女のプライドみたいなのがあって」

「そんなプライド庭にでも捨ててきてください」

 呆れ気味にアリスは言い、そのままアルテミスの机にあったペンを手に取る。


 それから、そこら辺の書類の山から紙を一枚取ってきた。

「まぁ、この辺りなら依頼料は銀貨3枚って所でしょうか……」


「うぇー……それだけ?」

 残念そうにアルテミスは言った。


「そんな、底辺探偵事務所が最初から高額な料金出して、誰が来るっていうんですか」

「まぁ、それはそうだけどさ……」

「今から行きたいところがあります。つべこべいわずついてきてください」


 * * *


「こんにちはー」

 ドア鈴の音が鳴ると同時に、アリスはある怪しげなお店の中に足を踏み入れた。


「何でも屋へようこそ。何の、依頼だい?」

 中に居たのは、魔女だった。

「広告を出したいのですが……」


 すると、魔女はカウンターから一枚の紙を取り出す。

「じゃあ、これにサインしな」


 アリスは、紙に書いてある文字に目を通し、そのままサインをした。

「代金は、銀貨15枚でも良いですか?」

 アリスの質問に、魔女はゆっくりと頷いた。


「ところで、アリス。どういう風に広告を出すの?」

 アルテミスの質問にアリスは自信満々に答えた。


「それはもちろん。実績を作るんですよ」


 そう言ったと同時に、どこかへ行っていたと思っていた魔女がカウンターの奥から出てきた。

「これが、何でも屋に来てる依頼だ。どれでも好きに選んでくれ」


 その紙をアルテミスは上から覗き込む。その中には見覚えの写真付きの内容があった。

 《依頼》

 消えた少女を探す


「これ、やろうよ」

 アルテミスは、その依頼を指さす。

「何で、これなんですか……報奨金少ないし」


「だって、この子。私がこの間探した子だし……」

「……なるほど、罪を償いたいと」


 アリスの感心した様子を見て、アルテミスは言う。

「別に、そういうわけじゃなくって……。なんていうんだろう、徳は帰ってくるって言うじゃん、あの子を2回助けたら徳が二倍になるかなって」


「良いのか悪いのかよく分からない答えですね」


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