表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ魔女探偵事務所へ  作者: 大拓 陽
Still In love

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/7

探偵募集中♪

ーー後日。


「ねぇねぇ、これ見てよ」

アルテミスの言葉に、ルシフェルは机の上に飛び乗った。


そこにあったのは、新聞。

《砂漠の街で少女が失踪。警察は事件性があると見て、調査》

新聞の見出しにはそう書かれていた。一見すればただの、新聞である。


でも、そこに貼り付けられていた写真にあったのは、この間助けた少女だった。

「あの依頼主さん、ちょっと不気味だったもんね……なんか、すっごく怪しい…」


すると、ドア鈴がカランと乾いた音を立てた。

「いらっしゃいませー。ようこそ魔女探偵事務所へ」


そこに立っていたのは、如何にも都会から来たような……そんな、身なりのきちんとした女性だった。

「どうしました?観光で、迷子になったとか……なら、街の方まで案内とか」

「あの、依頼主さんに聞いていませんか?その、専門家とかなんとか……」


それを聞いたアルテミスは満面の笑みを浮かべて、手を差し伸べた。

「あなた、魔女探偵事務所の探偵になりませんかっ?」


それを聞いた女性は苦笑いを浮かべる。

「あの……、直球すぎませんか?まだ、自己紹介すらしていないのですが」

「給料は、寿命三年分。それに、精神をキレイに整えるメンテナス付き。お安いでしょ……」


「そんなので喜ぶのは、どっかのお馬鹿さんか、魔女くらいだと思います……」

「え、貴方魔女じゃないの?」

気まずそうに、女性は頷く。


アルテミスは後ろを振り返って、そのまま事務椅子に座った。

「魔女に近寄って来る人って少ないからさ……貴方も、魔女なのかと思っちゃった」


「お金がないんですよ…、依頼主さんが銅貨30枚払ってくれるって言うから、仕方なく来たんです…」

「じゃあ、是非魔女探偵事務所で働かない?都会だったら平均給料だけど、ここだったら大金だよ」


「じゃあ、探偵さんの今の所持金は?」

「ステンレス硬貨1枚……」

「めっちゃ、貧乏じゃないですか……。魔女って、そんな貧乏なものなんです?」


女性の質問に、アルテミスは涙目で答えた。

「皆、だいたい雇われてるから…。平均給料は金貨25枚くらいだよ。でも、私はいい子だからこんなに貧乏なの……」

「魔女って、悪いこと沢山すればするほど給料高くなるんですか?よくわからない世界ですね」


「本当だよっ、だから、ね?魔女探偵事務所に……」

「結構です」


* * *


アルテミスは、机の上にコーヒーの入ったカップをを二個置いた。

「すいません……こんな安いもので」

「いえいえ、大丈夫ですよ。私も、よくコーヒーは飲みますので」


「……それで、どんなことが聞きたいんです?」

「砂漠から海が見えることってあるかって話なんですけれど……」


「えーっと……砂漠が海化するという現象は極めて珍しいですが…。無いわけではありませんね」

「じゃあ、遠くから見ると砂漠に見えるっていうのは……、本当に水が沸いているわけではないんです」


それから、その女性は少し考え込んだ。

「……あるにはありますよ」

その女性の言葉に、アルテミスは息を呑む。


「簡単に言えば、錯覚ですね。砂漠なんかで起きやすい現象です。砂漠には木がありません。ですので、砂が太陽の熱で温められますよね。それと反対に空気中は冷たいままです。その間を光が通る時、密度の関係で曲がり、それが連続的に起きる。そうすると、一定の角度になると全ての光が反射して、水があるように見えることがあるんです」


「それが、海に見えた原因だと……」

「多分……そうだと思います」


* * *


それから、特に話すこともなかったので、そのままその女性は帰っていった。

「ねぇ、ルシフェル。あの人、魔女探偵事務所の探偵になってくれなかった……」

今にも泣きそうな顔で、アルテミスは訴える。


それから、アルテミスは魔女探偵事務所の看板に紙を貼り付けた。

《魔女探偵事務所、探偵募集してますっ♪》


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ