魔女探偵事務所新聞デビュー!
飛ばした人向けにーー。
アルテミスさんは一年後に魔女探偵事務所を魔女名探偵事務所にすると誓い、事務所の引っ越しが決まりました。
無事事件が解決し、引っ越し可能になったのは良いもののーー手続き上色々とあって、魔女探偵事務所は隙を持て余していた。
「それにしても、アルテミスさん。この事件で魔女探偵事務所の知名度は上がったようですが、元々の依頼も片付けなければヴァレス村に行った意味が無くなってしまいますよ」
床でダラダラとルシフェルと戯れながら本を読んでいるアルテミスに、アリスはきっぱりと告げた。
「そういえば、そうだったね。でも、居場所分からないし……」
すると、自信満々にシュラインは言う。
「安心してください。私が王国に行って、暴力で解決してきますから」
「まだ、やる気満々だったんですか?」
引き気味に、アリスは言う。
「そりゃ、それが一番手っ取り早いですから」
ーーそう言った時。いきなり、ドア鈴がカランと音を立てた。
そして、寝転がりながらアルテミスは言った。
『ようこそ魔女探偵事務所へーっ』
持ち上げていたルシフェルが滑って落ちてしまった。それを避けるように、アルテミスは一回転してそれを避けた。
それから、入ってきた人の顔を見ると、シュラインとアルテミスは声を揃えて言った。
「村長さんっ!」
それから、村長は困った顔をして、シュラインの方を見た。
「はて、わしは貴方と喋ったことがあっただろうか」
それを聞いてシュラインはそっぽを向く。
「いや、私の住んでいた村の村長にとてもよく似ていたもので……」
それを誤魔化すように、アルテミスは続けた。
「それで、何で村長さんがここに?何か、魔女探偵事務所に依頼したい事でもあったんですか?」
「あぁ……それが」
困った顔で言う村長に、耳を傾けたアルテミスだったが、村長はこう続けた。
「なんてな、村長同士で色々交流があって、こっちへ来たのじゃ。そしたら、魔女探偵事務所が新聞に載っているのを見てな」
「えっ、新聞…?」
一番困惑していたのは魔女探偵事務所の事務所長だった。一体どういう状況なのだろうか。
「アルテミスさん何も聞いていないのですか?」
「う、うん」
いつの間にか、コーヒーを用意していた気の利くシュラインは村長を机の方へと案内する。
「ありがとじゃよ」
そう言って、そのまま椅子に腰掛けた村長に、アリスは尋ねた。
「貴方がもしかして、バレス村の村長さんですか?」
「あぁ、その通りじゃ」
そう頷く村長に、アリスは言う。
「それはそれは、うちのバカ事務所長がお世話になりました」
「えっ?」
今、聞き捨てならないことが聞こえたのは気のせいだろうか。
「突然で申し訳ないのですが、聞きたいことがありまして」
「何じゃ?」
「この間聞いた、人物のことについてです」




