表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ魔女探偵事務所へ  作者: 大拓 陽
Crimson Hidden in the crystal

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/35

本来の要件

「ってわけで……」

 やっとレインから解放され、アリス達と合流したアルテミスは、気まずそうに今までの話を全て伝えた。


「え、アルテミスさんってシアトル財閥で働いてたんですか!」

 アリスは目を輝かせた。

「まぁ『魔女』だけどね……」


「でも、私のお母さんですら、そこら辺の下流貴族との契約しか結べませんでしたよ」

 それは、ある意味お母さんを侮辱しているようにも受け取れるがーー。

 それよりも、隣でアルテミスを睨んでいるシュラインこと、魔女暗殺屋が気になって仕方がない。


(殺意を感じる……)

「それで、アルテミスさん!シアトル財閥はやっぱりお金持ちなんですか?良い人が多くて?人望も手厚いですし……」


「まぁまぁ、その話は良いよ……」

 アルテミスはそう言って、話を濁す。

「良くない!ですけど、そもそも、何故私たちはシアトル財閥に来たんでしたっけ?」


「引っ越すためですよ。リット・シアトルさんの聞き込み調査をしに来たのでしょう」

 落ち着いた声で、微笑んでシュラインは言う。

「そうでした!……でも、アルテミスさん、レインさんとはあまり関係が良くなさそうですよね。話し方が……」


 確かに、アルテミスがレインの愚痴をちょくちょく話しつつ伝えていたが、関係が良くないどころじゃない。大っ嫌いである。

「でも、良い人が居るよ。シアトル財閥で人間性のかけらもないのはレインだけだから」

 自慢げにアルテミスは言った。


 ーー「って訳で、僕が呼ばれたんですか?」

 目の前に立っていたのは、温厚そうな男性。シアトル財閥本家の血を引き、確かリットといとこの関係だったはずだ。


「それにしてもあなた方、とても運が良いですね。僕、普段はこっちではなくて、地方の方で働いているんですよ。でも、今日は偶然シアトル財閥本部に居たのです」

 温厚な声で言う彼に、アリスは冷たく尋ねた。

「それで、貴方は誰なんです?」


「僕の名前は、『シアトル・デューラ』です。少し呼びづらいので、もしよければユーラとでもお呼びください」

 微笑んで言う彼に、親しげにアルテミスは尋ねた。


「それで、ユーラ君。リットちゃんについては詳しいでしょ?」

「ユーラ君ではありません。もう大人なので……」

「じゃあ、ユーラさん」

 いじけたようにアルテミスはボソッと返した。


「えぇ、いとこであり、幼馴染ですから……」

 少し、悲しげにユーラは声のトーンを落とす。それもそうだ、死去したとなれば、彼がどれだけの苦痛に襲われたのか。


「……大丈夫ですか?」

 ユーラの目から滴る涙を見て、アリスはハンカチを渡した。

「えぇ……」


「それで、リットさんのことですが……」

 シュラインがそう呟くと、アリスはシュラインの方を見て、悲しげに言った。

「今じゃないでしょ!」


 それを聞いたシュラインは一瞬ユーラを睨みつけて、その場から立ち上がった。

「ねぇ、アルテミスさん。私、お手洗いに行きたくなってしまって……、一人では怖いので一緒に付いてきてはくれませんか?」


 まぁ、なにかしら話したいことがあるのは分かるが……いくら何でも、人柄が変わりすぎなのではなかろうか。

 アルテミスが、アリスの方を向くと頷いたので、アルテミスはシュラインの言われるがまま付いていくことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ