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ようこそ魔女探偵事務所へ  作者: 大拓 陽
村に潜む魔女

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18/37

依頼主の特徴

ーー数時間後。

「ってことで、村長。任務は果たしましたので早く報酬を」

アルテミスはいつもより声が高く弾む様な声で言った。


「まぁまぁ、落ち着け」

それから村長は棚から銀貨30枚を取り出し、机の上にきっちりと10枚ずつ並べる。

でも何やら、隣には金貨15枚が……。


アルテミスが目を輝かせたのも束の間ーー隣に居たラデルはその金貨を全て財布の中に入れたのだ。

「えっ……」


「あの、この金貨は私の報酬なんですが……」

アルテミスを引くような目でラデルはこっちを見てくる。

「羨ましい。私が居なかったら魔女見つけられて無かったのに」


と、文句を言うアルテミスにラデルは正論を放った。

「こっちは命懸けなんですよ。貴方、調査こそしたものの、私が居なかったら呪いを受けたところをナイフで刺されてゲームオーバーだったじゃないですか」

アルテミスの完敗である。


「それで探偵さん。私から聞きたい情報とはなんじゃ?」

村長にそう言われてからアルテミスはようやく思い出した。バレス村に来た本来の目的を。


もし、村長に何も聞かれずにアリスの元へ戻っていたと考えると背筋がゾッとする。

「あの……事件の調査に協力してもらいたくてですね」

「それは、この村での事件のことか?」


「いいえ、この村に住んでいたと思われる人の調査です。申し訳ありませんがラデルさんは席を外していただいても?」

「分かりました。では、村長さん今回は魔女暗殺業者への依頼誠にありがとうこざいました」

そうとだけ言い残し、ラデルは言われるがまま外へ出て行く。


「こちらこそ……」

扉に向けて村長はそう言った後、アルテミスに特徴を聞いてきた。


アルテミスはあの時の記憶を辿る。

・身長180cmくらいの背の高い男性

・雰囲気は特に特徴的な所はなく地味で、大人しそうな雰囲気

・財産には余裕がありそう


「まぁ、こんな感じですね。こういう方を知りませんか?」

アルテミスがそう尋ねると村長は少し考え込んでから口を開いた。


「それだと、三人くらい居るな……」

「それでは、その三人の特徴を」

そう言って、アルテミスはポケットからメモ帳とペンを取り出す。


「まず一人目は、わしの義理の孫じゃな」

「義理?ですか……」

「あぁ、わしの娘は養子を迎え入れていたんじゃがな、夫がそれはもう暴力的な人じゃったせいで、あの子は大変な思いをしていたんじゃ。そのせいか内向的な子なのじゃよ」


これは、十分事件の動機に匹敵しそうである。

「二人目は確か、有名大学を出た子じゃったな。別に、何か家庭問題があったとかじゃなく、昔から勉強熱心でそういう性格だったんじゃ。それに背も高い」

意外にこう言う人が犯人の場合もあるので、しっかり検討しておこう。


「三人目は、確か結婚して都会の方に出て行ったな。今は何をしているのか知らんが、探偵さんの言っていた特徴の中で一番近いのじゃ」

それをアルテミスは全てメモ帳に書き留める。


「なるほどなるほど……」

「わしに聞きたいのはこれだけか?」

お爺さんの質問にアルテミスは頷いた。そして、部屋を出る為に扉を開ける。


「魔女探偵事務所のご利用ありがとうございました。また、もしご縁があったらよろしくお願いしますね」

アルテミスは笑顔でそう言い、扉を閉めた。


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