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ようこそ魔女探偵事務所へ  作者: 大拓 陽
村に潜む魔女

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17/35

正体を見透かすスープ

※ラデルによる翻訳・通訳前提の文章です

「ってことで、無事魔女候補に上られた方には特別なことを……」

「だから私は魔女じゃないですわ!?」

「そういう人が一番怪しいの。ほら、ラデルその人を取り押さえて」


 偉そうにアルテミスは言う。すると、ラデルは不機嫌そうな顔で、渋々その人の腕を後ろで拘束する。

 そして、呟いた。

「私は、探偵助手じゃ無いのですが……」


 左側に移動したのは、青黒い髪をした生意気そうな色気系お姉さんと、正体不明の姉妹。そして、何処にでもいそうなモブ的女性。


「私の作ったスープを飲む。ただそれだけ」

 それから、アルテミスは背後に置いてあった鍋から3杯カップにスープを注いだ。これはれっきとしたスープであり、魔女が作る様な紫色のスープではない。


 だって、本当にただの野菜スープなのだから。でも、これは今から違うものへと変化するのだ。

 スープを全て配り終えたアルテミスは「どうぞ」とだけ言い、鍋の中を覗き込んだ。


「何で、私は食べさせて貰わなきゃいけないわけ?」と、色気お姉さんが後ろで嘆いていた。

 せっかくイケメンに食べさせて貰っているというのになんて言いようだろうか。


 そんなことは置いておき、アルテミスは鍋の横に置いてあった紫色のポーションを鍋の中にポトポトと流し込む。

 すると、鍋の色はいっきに紫色に変わり、いきなりぐつぐつと煮え立ち始めた。


 後は簡単。中を覗き込むだけーー。

 その時、アルテミスに電撃が走る様な激痛が走る。それも心臓に。

 アルテミスがあまりの痛さに倒れ込むと、色気お姉さんは嘲笑いながら言った。


「貴方と喧嘩する振りをして、呪ったのよ。3分後に貴方は死ぬわ」

 この時、アルテミスは人生の中で初めて思ったんだ。魔女に生まれてよかったと。

 それから、アルテミスをいじめようとでも思ったのだろうか、紐を力ずくで振り解いた色気お姉さんはこちらへと歩き出したのだ。


 でも、その隙をプロは見逃さなかった。ラデルは背後から彼女を床に押さえつけ、そのまま銃口を頭に当てーーその瞬間、銃声が響き渡った。


「なんと物騒な……」

 そう言ったのは、先ほどの小さな少女。いえ、少女では無かったようだ。

 それから、少女はそのままラデルに攻撃を仕掛けた。


 色気お姉さんが死んだからか分からないが、ラデルの受けた呪いはどんどん侵食が薄くなっていた。

 それから、アルテミスはなんとか立ち上がりスープを見る。


 そこにあったのは、何とも信じられない……。

 誰かが落としたスープからの反射を使い、鏡方式でアルテミスはその真相を見透かした。魔女の変装は鏡越しには効かないという特徴があるからだ。


 そこに写っていたのは、残った二人両方は紛れもなく魔女であったということ。

「あらま……。バレちゃったんですね……、なら仕方がない」

 先ほどまでの静けさは何処へ行ってしまったのだろうか。その、モブ系の女性はアルテミスにゆっくりと近づく。


 それから、彼女はアルテミスに向かって人間だけに効く強力な呪いを放った。でも、アルテミスに効くはずもなく……。

 そして、さっきの少女を仕留めたラデルは無事、アルテミスを呪おうとした女性の胴体を無事撃ち抜いたのであった。


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