聞き込み中に喧嘩をする名探偵
※ラデルによる翻訳・通訳前提の文章です
「何か思ってたのと違う……」
このアルテミスの美貌は絶対にもてはやされてされるものなのにも関わらず……。いや、なんとナルシスト的な考えなのだろうか。
いじけ気味のアルテミスであったが、こんな所に打ちひしがれて探偵の仕事が出来なかったら、それはもう何でも無いただの魔女ではないか。
「じゃあ、今から順番に質問をしていきますので……。あ、質問を真面目に受けてくれた方にはラデルさんのファンサービスをもらえますよー」
「何ですか!?その制度は……」
その驚いた顔もイケメン。青黒い髪の毛に紫色の透き通る目。この超絶的美貌に皆がときめくのもなんだか納得してくる。
「まぁ、いいじゃん。君、多分魔女暗殺屋辞めて都会でホストやった方がいいと思うよ」
「ホスト?……私は女なのですが」
そんな事はさておき、さっさと質問を終わらせよう。とは言っても、こんなの量が多すぎるのでちょっと怪しかった人をトピック。
それは、3人目の番になった時。
身長高めの色気増しましお姉さん、青白い肌ね。
アルテミスは聞き込み調査をする際に必ずその人の特徴をメモに書き留めていた。
「何ですって!色気増しましお姉さん?」
何故か、そのお姉さんがキレてきたのだ。そして、アルテミスはその時魔女である確率を大幅に上げた。
「器が小さいあたり……凄く魔女っぽいですね……。貴方は右で待機ね」
「何なんですか?その理由は。たったそれだけで決めつけるのはあまりよろしくないと思うのだけれども」
「勿論他にも理由はあるよ。貴方、お風呂3日は入ってないでしょ……それに、その青白い肌。魔女の特徴の一つと言っても過言では無い」
名探偵っぽく落ち着いて言ってみたアルテミスであったが、次の瞬間雷が落ちたような電撃が走った。
「それだったら、貴方だって青白い肌じゃない。それに、お風呂一週間は入ってないわよね」
その言葉にアルテミスはブチギレる。
「昨日、お風呂入ったもん!私のこと臭いって言いたいんでしょ?ねぇ、そうなんでしょ!?」
すると、反抗する様に彼女も言った。
「私だって一昨日お風呂入ったもの!貴方、そういう決めつけで私に冤罪をかけるのやめてくださる?私をあんな醜い魔女と一緒にしないでくださいませ」
「はぁ?」
二人がヒートアップし始めた所で、ラデルが仲裁に入る。
「まぁまぁ、お二人とも……その様な醜い争いはやめてください」
「何が醜い争いだって?」「何が争い醜いですって?」
二人は同時に声を上げる。
「本当似た者同士なようで……」
それから、両者共に何とか落ち着きを取り戻し……それは14人目の客だった。
身長低めの白髪、黄色く緑色の合わさったような目、幼女系。
「えーっと、一人なの?」
アルテミスの質問に幼女は頷く。
「お母さんとかお父さんとかは来ていないと……」
すると、その子は後ろの方を指差して言った。
「あの人がお姉ちゃん」
そこにいたのは黒髪にグレーの目の子。高校生くらいだろうか。
「じゃあ、お姉ちゃん読んできてくれる?」
アルテミスのお願いに少女は言われるがままお姉ちゃんを連れてきた。
「あの……面倒臭いので帰ってもいいですか?」
(いきなりの反抗期)
アルテミスは顔を顰める。
「そもそも、こんな妹、私知らないんだけど……」
これも反抗期というやつなのだろうか。
少女は困り顔でお姉ちゃんのスカートの裾を引っ張っていた。それから、結局よく分からなかったのでアルテミスは左で待っていて欲しいと伝えた。
それから、左送りになったのは一人だけ、特に問題があるようには見えなかったがラデルがこう言ったのだ。
「この人怪しいです」と。
何故なのか聞いてみたら「長年の勘ですよ」とのこと。あまりあてにならない気がするが、一応左待機にさせておいた。




