魔女の習性
聞き込み調査をした結果……収穫は何も得られなかった。
ーーThe end......。
「って、こんな終わり方無しだよね……」
涙目になりながら、アルテミスはラデルを揺さぶる。すると、困った様子でラデルはアルテミスを振り払った。
「やめてください。それに、私には長年の知恵があります」
「え、魔女暗殺者歴何年目なの?」
アルテミスが街のど真ん中で平然と言うので、ラデルは大急ぎでアルテミスの口を閉じる。
「そんなに大きな声で言わないでください……、でも、そうですね20年くらいでしょうか」
「じゃあ、ラデルは40歳か……なんか、全然見えない」
「そりゃそうですよ。私が魔女暗殺業者に勤め始めたのは10歳の頃でしたから」
「じゃあ三十路か……、魔女を狩る側も大変なんだね」
憐れむような顔でこちらを見つめてくるアルテミス。そして、ラデルは三十路と言われて悲しい気持ちになる。
一見、何の変哲もない光景。逆に凄いと思う。
「うぅ……三十路ですか」
ラデルはボソッと呟くが、アルテミスにその声は届かなかったようで……。
「それで、長年の知恵って何なの?」
アルテミスから質問された、ラデルは曲がってた腰をピンと戻す。それから答えた・
「魔女には習性ってものがあるんですよ。何か分かります?」
それから、アルテミスは少し考え込む。
「おばさんになると、口が悪くなる」
「貴方、随分と酷いことを言いますね……。まぁ、私も思いますけど答えは間違っています」
「やっぱり合ってるじゃん」
アルテミスの文句を遮るように、ラデルは「こほん」と一回咳払いをする。
「そう、魔女の習性とは、暗くて安くて狭くて、悪臭の漂うオンボロ家に住む傾向があるということです」
「なんか、魔女のイメージ悪く無い?」
「じゃあ、アルテミスさんの事務所。魔女探偵事務所はどういう所にあるんです?」
そう聞かれて、アルテミスは思い出してみる。
灯が薄くて、土地代が安くて、そんなに広く無い。やたらと周りから生ゴミの匂いが漂う壊れかけの一軒家。
「確かに……」
「確かに。じゃないですよ、やっぱり貴方もじゃないですか。それで、貴方は魔女を遠隔で見たんですよね」
その質問に、アルテミスは頷く。
「では、部屋はどんな特徴でしたか?」
それから、アルテミスは思い出そうとする。
「狭くて薄暗い部屋にで、窓には鉄格子が付いてた。部屋の家具の配置を見た感じ宿っぽかったよ」
「何故、そう思ったのです?」
ラデルの質問にアルテミスは即答した。
「だって、やたらと本が少なかったんだもん」
その回答にラデルはどうやら一瞬で理解したようだった。
「それなら……候補はもう一つしかありませんね」




