魔女暗殺屋
「うぇ……だからっ」
焦りのあまり呂律の回らないアルテミスを気にも止めず、彼女はアルテミスの首にナイフを突きつけた。
「言い訳したって、無駄よ。魔女暗殺屋トップの私に勝てるはずないもの」
「え、魔女暗殺屋?」
「えぇ、この村に魔女が潜んでるって言うからそいつを探しに来てるのよ」
ーー魔女暗殺屋。
その名の通り、この世界における邪悪な存在である魔女を狩るお店。
「で、でも……何で村長に?」
その人は、アルテミスの質問に答えず、そのまま首に斬りかかろうとナイフを振る。
それを、アルテミスはしゃがんで回避した。
「ふぇ〜、本当に無理。ムリムリムリっ本当にっ」
涙目で訴えかけるアルテミス、それを見ても無心の彼女。もう、どうにもならなさそうだ。
しかし、魔女が持つ生まれつきの身体能力は結構役に経ちそうだ。
逃げ帰ったら、アリスに退職され、今ここにいれば殺される。まさに、修羅場である。
それからも、彼女はお構いなしに、アルテミスを攻撃し続けた。それを運だけでアルテミスは全て避けきり、今でもなんとか生きている。
「本当、厄介な魔女ですね……私は沢山の魔女を殺してきたけど、こんなにしぶとい魔女は初めてですよ」
「だから、言ってるじゃんっ。魔女じゃないって」
「私は騙されませんよ。魔女の攻撃方法を使ってこないとはいえ、貴方は今まで何人の人を呪ってきたのでしょう。100人いや、1000人ですか?」
それから、アルテミスは少し考え込んだ。
「えーっと、呪ったのは3人くらいだけど……罪深い、一人以外はちゃんと解除してるよ」
「みんなそう言い……いや、言いませんね。でも、本当はサバ読んでるんでしょ?」
「身長と体重はサバ読んでるけど、呪いはサバ読んで無いって」
急に、衝撃の事実を後悔するアルテミス。でも、彼女は一切攻撃を止めなかった。
ーーそして、その時はやってくる。アルテミスの髪が少し切られたのだ。それを見たアルテミスはショックを受けた。
「離れて、お願い!」
「どうしたんですか?魔女の髪なんて今まで沢山対処してきましたよ……これくらいなんてことーー」
その瞬間ーー髪が彼女を包み込む。
「へっ?」
「だから、言ったじゃん!ちょっと我慢して」
怒り気味にアルテミスは言う。それから、呪文をブツブツと唱え始めた。だが、そうしている間に髪は彼女の首を締めようとする。
そして、呪文が言い終わった時、アルテミスの髪が一気に燃え上がる。そして、その子が安心したのも束の間、その炎はその女性を一気に取り囲んだ。
「どうよっ、自分の周りを火炎地獄にして、拷問サウナにする呪い」
「アルテミスさん。ごめんなさいっ!早くこの呪いを解いてください」
それから、アルテミスは言われた通りに呪文を解く。




