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人工悪魔は影から  作者: イワスズタ
第2章 Solve the Mysterious Murder Case. 屍蘇傀儡篇

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84.異国の地へ足を

 ジャック犯を撃破したことで、乗客全員の視線は怜と天津に向けられ、全員が2人へ感謝の拍手や歓声が機内に飛び交った。

 天津はその拍手を真摯に受け取って後頭部に手を当てて「どうもどうも」というジェスチャーをした後に自分の座席に戻っていった。

 怜は一礼だけをして席に戻ってエルに寄り添ってあげる。

 何も危害を加えられたわけではないが、ジャック犯の言動には上城戸ほどには及ばないが恐怖したようで未だ体を丸めて震えていた。


「エル、大丈夫だ。もう終わったから、心配しなくていい」


「ほ、本当ですか……?」


「こんな状況で嘘なんかつかないから」


「あ、ありがとうございました……」


「ああ、まだロンドンまでは遠いから、ゆっくり寛いで」


 怜はエルにジャック犯は全員懲らしめたというが未だに事件が終わったのか不安だったが、こんな状況で冗談交じりで嘘をつくほど非情ではない為、本当の事だけを言うとエルは安心したのか少しばかり眠りにつく。

 東京からロンドンまでの飛行時間はおよそ12時間と長丁場になることもあり、眠りについたとしてもまだロンドンにはつかないだろうと思い、怜も隣で少しだけ睡眠をとることにした。

 

 途中で機内食などを食べながら本を読んだりなど時間を潰していくと12時間はあっという間に過ぎていき、CAが間もなくロンドンに着陸するアナウンスが鳴る。


『まもなくイギリス・ロンドンに着陸します。着陸時の揺れにご注意ください』


 飛行機が低空飛行を始め、だんだんと地面との距離が縮まっていく。

 飛行機が着陸し、降機のアナウンスが鳴ってから怜達は飛行機から降りて空港まで向かっていく。

 ジャック犯はどうなったかというと、現地の警察隊に連行されていったようで、ひとまず大事にはならずにジャック事件は解決した。


 現在いる空港はロンドンの中心部に一番近い空港であるロンドン・シティ空港で、空港の中から出ると金髪でサングラスをした半袖のワイシャツを着た男性が天津の元に駆け寄ってくる。


「アマツさん! よく来たね!」


「……もしかしてタトゥムか?」


「そうだよ! 忘れてもらっては困るんだよアマツさーん」


「何でアメリカに住んでるお前がここにいるんだ?」


「ワタシの故郷はここ、ロンドンなんだよ! 丁度帰省した頃にこっちにいる能力者《ギフテッド》の友達から任務に参加してくれないかって連絡が来たんだよ。そしたらジャパンの能力者がこっちに来るって聞いたから送迎に来たんだよ!」


 天津と話している男性の名前はタトゥムというらしく、天津は彼はアメリカに在住しているはずなのに、どうして今ロンドンにいて、何故天津たちの事を待っていたのかが疑問だった天津はタトゥムに聞く。

 すると彼の故郷はアメリカではなくロンドンのようで、帰省のタイミングと怜達が追っている謎の殺害事件の解決時期が被っていたようで、ロンドンにいるタトゥムの能力者の友人がタトゥムも任務に参加してくれないかと頼んできたそうだ。

 そこで今回ロンドンに来た日本人の中で唯一関係を持っているタトゥムが天津たちの元に送迎という理由でここで来るのを待っていたという。


「天津さん、この方は?」


「ああ、今から説明するよ。彼はタトゥム・ブルックス。僕がアメリカに在住していた時のチームメイトだ」


「タトゥムです! ワタシは年齢とかの上下関係は気にしてないので、飛び捨てでもなんでも大丈夫ですよ! よろしくです!」


「じゃあ……よろしく、タトゥム。俺は辻井怜、こっちの少女はエル」


「よ、よろしくお願いします」


「レイにエルちゃんですね! よろしく!」


 タトゥムはかなり陽気な性格で年齢による上下関係をさほど気にしていないようで、呼び捨てでもなんでもいいと言っており、怜は瀬戸口と似ているなと感じるがそれ以上に人を元気づけるような口調をしており、怜はそこに乗っかってタトゥムの事を呼び捨てで呼ぶようになり、エルも挨拶をするとタトゥムは満面の笑みで返す。

 その後は湖崎と陽凪も自己紹介をして、全員が終わった後は早速タトゥムの車に乗って天津たち対策本部が予約してくれていた宿泊施設に移動する。

 ロンドンと日本の時差は8時間あり、ロンドンの現在時刻は朝7時なのでひとまず荷物を置くために移動するが、この朝早い時間から来てくれたタトゥムには感謝しかない。


 車で移動すること20分ほど移動したところに2階建ての木造の建築物の前に車を駐車する。


「到着ですよ! 長旅お疲れ様ですー!」


「タトゥムもこんな朝からご苦労さん」


「アマツさんには色々とお世話になりましたからね、アマツさんの頼みなら駆け付けますよ!」


 タトゥムは運転だけでなく、車内に入れた皆の荷物も入口まで運んでくれ、ここまでしてくれるのは逆に申し訳なく感じてくるが、タトゥムは苦い表情を一切せずに陽気な笑顔でいた。

 それに加えてどうやらアメリカでともに活動していた時に天津には色々と良くして貰ったようで、自国に来た時は自分が天津の役に立とうと頑張って動いてくれているらしい。

 車内から全ての荷物を取り出して、タトゥムが宿泊施設の玄関のドアを開けて管理人と思われる人の名前を呼ぶと奥の方からエプロンを身に着けた女性がすたすたと歩いてくる。


「アメリアさーん! ジャパンの皆さんを連れてきましたよー!」


「タトゥム、ありがとう。遠い日本から来た皆さん、Nice to meet you. ようこそザ・スパニアーズ・インへ。管理人のアメリア・エイミーです」


 


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