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人工悪魔は影から  作者: イワスズタ
序章・後

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7.再び

 エピドロメアスの災害から約1年半が経ち、怜は高校3年生になった。

 今のところディアボロスの力の暴走も無く平穏に過ごせている。

 しかしここ最近、エピドロメアスとはまた違った生命体がちらほらと見受けられるようになった。

 その生命体1体1体の力はエピドロメアスよりは無く、身長も一般人の身長と大差ない程だったのでエピドロメアスより簡単に倒すことができていた。


「今日もこいつらか。全く、エピドロメアスが消えたと思えば、一体こいつら何なんだ?」


 今日も影から地球の脅威と成り得る存在を倒しているが、この生命体がいつ、どこで、誰の手によって現れたのかは未だ不明だ。

 自然発生した可能性もあり得るが、どちらにせよ地球を脅かす存在かもしれない存在なので倒さなければいけない。

 対策本部側もこの件について逸早く情報を掴もうと動いてくれているものの、未だ不明との事らしい。

 近い内にまた支配者の予言や支配者のメッセンジャーからの通達が来るのかと待っていても一向に来る気配が感じられない。

 エピドロメアスの時は支配者が来る約1週間前に東京に大きく神々しいゲートが現れたと記載されていたが、今回は世界中どこを探してもそれらしきゲートが現れたという情報は伝わってきていない。


「やべ、高校遅れる!」


 謎の生命体を倒し怜はスマホで時間を確認すると高校の時間が迫ってきていた。

 怜はまだ学生である上、3年生になって大学入試の勉強などに時間を追われるようになり、今日も討伐後に全速力で走って高校まで向かった。


「怜、また遅刻ギリギリじゃないか」


「最近寝坊が多くなって······」


「遅刻すると生徒指導の先生が黙ってねーぞ?」


「分かってる」


 教室に向かい、いつも座っている席に座ると隣と後ろには怜の親友である山崎創希(さまざきそうき)と藤山友也(ふじやまともや)が遅れて来た怜をおちょくっていた。

 遅れた理由は一応寝坊して遅れたということにしてある。

 もしも自分が日本初の人工悪魔の力を持った能力者という事が知られればどうなるか予想がつかなかったからだ。

 その後はいつものように普通に授業を受け、放課後3人で校舎を出るとなにやら近くで騒ぎが起きていたので向かってみることにした。


「なぁ、なんか騒がしくね?」


「喧嘩でも起きてるのか?」


「······あれ、何だ?」


 近くで喧嘩でも起きてるのかと思いきや、藤山が少し震えた声で2人を呼び、彼が指を指している方向を二人も見てみると、上空に禍々しいゲートが出現しており、その入り口からは機械の歯車やコードといった様々な機械部品が垂れ流しになっていた。

 高校周辺で騒ぎになっていたのは恐らくあれだろう。

 今怜達がいる高校は東京23区外にあり、そこから大体の距離感からしてゲートは東京23区内、それも中心に近い所にあるように見えた。

 するとポケットに入れていたスマホが振動し、確認してみると近藤からの電話で急いで出るととても焦っている様な声が聞こえた。


「もしもし?」


『辻井君! 今すぐ対策本部まで来てほしい! エピドロメアスと同等、もしくはそれ以上の脅威となる存在の可能性がある!』


「分かりました、なるべく早めに向かいます」


 近藤の連絡を受けた怜は2人に断りを入れて人気の無い所まで移動し、隠密と飛行を使って対策本部まで全速力で向かった。

 対策本部に着き、裏口から入り局長室まで向かい、ドアをノックし開けると近藤が一安心したかのような表情を浮かべたことから、余程大変な状況なのだろう。


「おお、辻井君、ようやく来てくれた」


「現状はどうなっています?」


「見ての通り、突如新宿上空に巨大で禍々しいゲートが出現した。本当に突然現れたんだ。エピドロメアスの時には前もって支配者が予言を残したというのに今回は予言なくして突如巨大ゲートが出現した」


 怜はその事でどうして支配者は今回予言を残さなかったのか少し疑問を抱いていたが、一つの仮説が浮かんだ。


『エピドロメアスよりも凶悪で、対処のしようが無いから』


 支配者は大勢の人に力を授けれる事から全知全能の超越者に近い存在なのだろうが、どうしてその様な存在が今回の事件に介入しないのだろうか。

 エピドロメアスの時は支配者が与える事のできる最大限の力で解決できると思ったからこそ力を授けた結果、怜の人工悪魔の力によってエピドロメアスのボスを倒すことが出来た。

 だが今回支配者が介入してこないということは、支配者の与えることの出来る力ではゲートから現れるであろう存在を対処できないと判断したからなのだろうか。

 しかし、支配者は恐らく地球を助けたいと思ってエピドロメアスの予言を残したのだろうが、こうも簡単に地球を見捨てるようなことをするのだろうか。

 対処できないからといって、事前に教えない理由にはならない筈だ。少しくらい何かしらの対策くらいはできるのではないかと怜は思った。

 様々な疑問を考えていると局長室に職員が息を切らしながらやってきた。


「報告します! ゲートに現れた何者かがほぼ半分まで姿を現しました!」


「半分も!? 準備させている攻撃隊はどうしている!」


「既に攻撃を開始しています」


「分かった。これ以降の指揮は私が取ろう」


「了解しました」


「辻井君も現場に向かって欲しい」


「分かりました」


 職員と話した後、近藤は怜にも現場である新宿に向かってほしいと言われたので急いで怜は新宿に向かう事にした。

 対策本部から新宿まで飛行を使って約5分弱で現場に到着し、辺りを見回して状況確認してみるとゲートからは職員の言っていた5割程出ていた体は今では8割まで出ており、見た目はエピドロメアスに少し似ており、外見は機械のコードや歯車、ボロボロになった基盤等が散りばめられている外見でとても不気味で不可解ななものだった。

 下では攻撃隊が遠距離魔法で攻撃を畳み掛けるもゲートの者はバリアの様な物をゲート付近に展開し、攻撃隊の攻撃を全て防御している、というよりかは吸収に近い形に見えた。

 すると下の攻撃隊の一人が何かを察したのか、突然全体に叫ぶように呼びかけた。


「お、おい、もしかしたら、今攻撃するのは良くないかもしれないぞ!」


「どうして? 早くかたをつけないと!」


「俺の見間違いなら良いんだが······あいつ、俺たちの攻撃を吸収して、こっちに降りてくる速度を促進させてるんじゃないか?」


 攻撃隊の男性が考えたことは的中しており、攻撃を吸収する事でこちらに降りてくる速度を促進させていた。

 確かに攻撃を開始する前よりも明らかにゲートから降りてくる速度は上がっており、後1分もすれば全貌が見える程の速さだった。


「く、来るぞ!」


 1分後、1年ぶりにこの地球に厄災が降臨する。

 


 

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