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人工悪魔は影から  作者: イワスズタ
第1章 2/3 The Hollow Ordeal 死島団戦篇

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39.情なき戦い

 モニターに映し出された文字は今から行われる第2回遊戯(ゲーム)のルールについてだった。

 しかし最初は第2回の遊戯内容の抽選だと思っていたが、それは怜達が休憩している間、もしくは第1回の終了間際に決定されたのかもしれない。

 そして今モニターに映し出されている4文字の漢字が恐らく今回の遊戯(ゲーム)のタイトルで、その名前は次のように書かれていた。


 【死島団戦(しとうだんせん)】


 その文字を見た橘は怜の方を見てある質問を聞いてきた。


「怜、この【死島団戦】というタイトルを見て、今から行われるのがどんなものか推察できるか?」


「……島と団戦とあることから、無人島で団体戦の殺し合いを行うのかと思います」


「いい考えだね、あたしもそう思う。だけど、無人島ではないのかもね」


「どういうことですか?」


「この空間を作っている張本人であるラティオマラはテラポーンという機械生命体を出してくる。そのことから、テラポーンが蔓延る中で団体行動を行いながら殺し合いをするんだとあたしは思うな」


「なるほど……」 


 橘の言う通り、ラティオマラはテラポーンを生み出してくることから、今回も同様にテラポーンが出てくるはずだ。それなら死島と名付けたのも納得できる。

 そして団体で行動するのは確定しているが、問題は何人でチームが組まれるのかという点だった。

 今この部屋でモニターの画面を見ている人数は怜、エル、橘、瀬戸口の4人の他に6人の感染者がいた事から今回は10対10の団体戦だと思われるが、こちらには非能力者のエルが居るので実質9人での戦いとなり、こちら側gは少し不利になると思われたが、次に表示されたルールに部屋の中にいた人間全員が驚く。


【今回の遊戯(ゲーム)では、能力の使用は禁止とする】


(何? ということは、お互い身体能力のみでの戦いということか) 


「なるほど。つまりこのテーブルに置いてあるサバイバルナイフや銃での戦闘で決着をつけるわけね」


 能力の使用禁止、つまり天使と悪魔の力は行使不可、己の身体能力のみでの戦闘で第3回に進出する感染者を選出するということになるが、これによって少しこちら側のハンデが少なくなった気がした。

 もしかしたら相手チームに能力がないとまともに戦闘ができない感染者が1人でもいれば人数的不利はイーブンとなる。

 

【これから詳しいルールを説明する】


・10対10の団体戦、どちらかのチームの感染者の生存人数が0になれば遊戯(ゲーム)終了。 


・制限時間は72時間、制限時間内にどちらのチームも全滅していない場合は生存者が多いチームを勝利とし、生存者が少ないチームは敗北となり死亡する。


・島の直径は約10km。島からの脱出は違反行為と見なし即失格とする。


・この島の物は自由に使用可能。


・もし敵チームとの協力や裏切りを行った場合、該当者全てを失格とする。


・敵を1人倒すたびに死点とは異なるTP【チームポイント】が50点加算され、ポイントを100使い希望の物資を購入することができるが、チームで最大5回までしかこの機能は使用できない。


・今回の遊戯(ゲーム)にもテラポーンは出現するが、今回からC級とB級は出現しなくなり、A級のみが出現対象となり、倒した際にはTPではなく死点が加算される。

 

【以上が今回の遊戯(ゲーム)のルール説明とする。開始は15分後とする】


「やはりテラポーンがいる中での団体戦か……」


 先ほど橘が言っていた通り、テラポーンがエリア内にいる中での戦いとなる上に、今回は前回までいたC級とB級のテラポーンは出現しなくなり、A級のみが出現対象となっている。

 しかしラティオマラは何故S級のテラポーンを出してこないのかが怜や橘の中で引っかかっていた。

 もしかしたら第3回、最後の遊戯(ゲーム)でS級との戦闘を行うために温存しているのかと考えるが、やはりどうにも相手の思考に確信が持てずにいた。

 次に気になったのは今回限定の特別なポイント、TPについてだ。

 相手チームの感染者を1人倒すごとに50ポイントが加算され、100ポイントを使うことで食料や雨などをしのぐアイテムが購入可能だが、最大3回までと制限があるのがかなり厳しい。

 何せ今回の制限時間は72時間、約3日間の長丁場になる中で5回だけというのは使いどころをチームで話し合っていかないと、ここぞというときに購入システムが使えずに一気に流れが相手チームに行ってしまう可能性もあるうえに、1回の購入でいくつまで購入できるのかも分かっていないので慎重に使っていかないといけない。


(物資の購入はTPで行うわけだが、自分が持っている死点200点を使って願いで物資の入手、もしくは購入回数の増加を願うことはできるのか……?)


「どうした?」


「いえ、これって物資の購入はTPで行いますよね? でも死点を使って物資の購入はできないのかな、と思いまして」


「なるほど……確かにこの説明文にはそのことは書かれていないし、もしかしたらいけるのかもしれないな」


 怜が見つけたこの遊戯(ゲーム)の抜け道、それは視点を200点使い、願いで物資の購入や購入回数の増加を行える可能性があったことだ。

 この死島団戦のルール説明で違反とされている行為は2つ、島からの逃亡と相手チームとの協力や裏切りといったいわばチーミング行為だけでそれ以外は何も明言されていないので、怜の考えが合っていれば回数を増やすことも可能かもしれないと考え、そのことを橘に伝えると怜の意見に納得の意を示す。


「とりあえず、遊戯(ゲーム)の始まる時間までにここにいる全員で名前とかの情報交換を行おう」


「はい」


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