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人工悪魔は影から  作者: イワスズタ
第1章 1/3 The Hollow Ordeal 無限迷宮篇

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18/82

18.無限迷宮②

宝箱を開けた途端低級と思われるテラポーンが中から出現し、森下の心臓を貫いていおり、貫かれた本人の森下は何が起こったのか理解できていない状況だった。

 怜はもしかしたらハズレの宝箱には罠やミミックの様に擬態して宝箱にテラポーンが潜んでいる可能性があるかもしれないと考えていたが、こんな序盤で出るとは予想外だった。

 序盤でも超低確率、もしくは中盤終盤で鍵をまだ入手出来ずに焦っている所を狙っていると思っていた。

 森下の急な死に怜は一瞬頭が真っ白になり、何も考えられなくなったが、森下が絶命し床に倒れる音で我に返った。


「……! エル、森下さんは見るな、俺の後ろに下がって」


「はい……」


 怜はエピドロメアスの時にこれでもかと言うくらいの惨劇を見てきたので、多少他人の死体などと言ったグロテスクなものには耐性があったので大丈夫だったが、エルはこういったグロテスクな物を見るのには抵抗があると思ったので急いで自分の後ろに移動させて森下の死体が見えないようにした。

 そして亜空間魔法でいつものように武器を取り出してテラポーンの前に立ちはだかる。

 遊戯(ゲーム)のルールで個人による魔法の行使は制限されると思っていたが、ルールに魔法について明記されていなかったので魔法が自由に行使できて安心した。

 テラポーンは低級で動きも俊敏では無いので、テラポーンが触手のようなものを伸ばして攻撃を仕掛けてきたのを躱した隙に懐に潜り込み、瞬時にコアを破壊すると破壊したコアの部分からゆっくりと消滅していった。

 するとゲームウィンドウが自動で開き、テラポーンを倒した事で怜にポイントが加算された。


【C級のテラポーンを討伐しました。感染者・辻井怜に5点が加算されました】


(たったの5点……願いを叶えるために必要な200点にはまだまだ足りないな)


 怜は5点を獲得したが、規律(ルール)に書いてあった200点を消費することで、規律(ルール)に反さない願いを1つ叶えるというのには全然手が届かない。

 怜はもし願いを叶えるとすれば、エルを殺害対象に入れないという願いだった。

 しかしそのままでは規律(ルール)Ⅵに反するので、言い方を変えてどんな遊戯(ゲーム)内容でも自分とエルが敵チーム同士にならないようにするといった願いに決めた。

 これならばチーミングではなく味方同士という捉えになるので、規律(ルール)Ⅵには恐らく反しておらず、恐らく願いは通る筈だと怜は考えていた。


 そしてテラポーンを倒した後、宝箱の前で死んで倒れていた森下の元に向かったが、何故か頭部が無くなっており、血は一滴も流れていない状態だった。

 とても不気味な光景だったが、今はそんなの関係ないと言わんばかりに怜はしゃがんで死んだ森下の目の前でしゃがんだ。

 森下と出会ってから10数分しか経っていないが、それでも1人の能力も持っていない普通の命が突然見知らぬ遊戯(ゲーム)に巻き込まれて、こんなにも残酷に殺されたのだから、死んでしまった森下の分も生き抜いて、最終的にはラティオマラを必ず倒してみせると言った気持ちを込めて両手を合わせ、目を瞑って1分間弔った。


 (森下さん、俺、貴方の分まで必ず生き抜いて見せます。どうか、天国で見守っていて下さい)


「……行こう。いち早く鍵を2つ見つけないと」


「……はい」


 エルは最後まで森下の死体を見ることは無かったものの、目の前で人が死んだという状況は初めてだったので表情は少し暗かった。

 

 暫く歩いている中で、まるで人が生活しているかのような内装の部屋があり、机に椅子、ベッドやクローゼットが置いてあり、もしかしたら部屋の中を隅々探せば宝箱があるのではないかと思い探してみるものの、クローゼットの中や机の引き出しは空っぽであるとしたら机の上に一本だけ何も模様のないペンが置いてあるだけで他は鍵どころか宝箱も無かった。

 何も無いのかと部屋を出ようとした時に扉の裏側に何か壁に書いてあるのをエルが発見した。


「お兄さん、壁になにか書いてあります」


「四桁の数字……何処か暗証番号が必要な所があるのか」


 壁には四桁の数字で【5981】と刻まれていた。

 この数字が刻まれているという事は絶対に何処かで必要になってくると思った怜はルールの書いてあった紙の後ろに机に置いてあったペンで数字をメモした。

 

 その後も、稀に設置してあった罠をかいくぐりながら進んでいると今度はキッチン、台所があった。

 一般的なキッチンより数倍は大きい内装で、中には1体、人型のテラポーンが居たが、近くで感じられるオーラから大体A級のテラポーンだと予測が出来る。

 A級のテラポーンを倒すことができれば、15点が加算されるため、塵積ではあるもののかなり大きい点ではあった。


「エル、下がってろ」


「はい」


 これは少しだけ激しい戦闘になる予感がしたのでエルを近くの物陰に隠れるように促すと、エルは駆け足で物陰に隠れた。

 隠れたのを確認した怜は双剣を取り出し、戦闘体制になると相手も敵意を感じたのか、構築魔法らしきもので真っ黒な日本刀を構築した。

 ここで過ったのが、どうして地球ではない場所から顕現したのに日本文化である日本刀を構築できるのだろうかと言った疑問だった。

 しかし戦闘が始まろうとする中で戦いとは他のことを考えながら戦うのはよくないと思った怜は、一先ずその事を後回しにして人型テラポーンとの戦闘に集中することにした。


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