成り④
「いてててて・・・なんだかいつもより身体が痛いぞ」
「おっ、目覚めたぞ」
「フゥー・・・心配させて」
ヤヒスが目覚めるとそばにいたマサカツとヴィーシャが声をかけて来た。
「で、どこまで覚えているんだ?」
「え?『成り』のことかい?ヴィーシャの大剣を折った・・・あれ?その先どうなったんだ?」
「まさにそこよ、明らかに大敗している私とまだ戦おうとしていたからマサカツとリャヒが止めに入ったのよ、そうしたらあなたは二人に剣を向けたの」
「えええ!!そんなことしたの!?」
「された、なぁ?」
「うむ、ボコボコにされるかと思ったぞ」
「で、そこのパムがスタンを二回かけてようやくおとなしくさせたのよ」
ヴィーシャは親指でテーブルに突っ伏して寝ているパムを指さした。
「スタンを二回・・・?」
「ああ、スタン一回じゃ普通に耐えていたからな」
ヤヒスの疑問にマサカツが答える。
「フゥー・・・とにかくヤヒスは不完全ながら『成り』を身に着けたわけ、今後は制御をすることに集中することね、私も早く身に着けなくちゃだけど」
「うーん・・・みんなごめん、ひどい迷惑をかけたみたいで、特にヴィーシャには」
「いいのよ、目の前で『成り』の力を見られたし、何となく扱い方もわかった感じだし」
「うむ、今日はもう風呂に入って寝てしまうと良い」
「わかった、そうするよ」
ヤヒスはどことなくしょんぼりした様子で風呂に向かって行った。
「うーーん・・・どうもショックを受けたようだねぇ」
「それはそうよ、仲間をメタメタにしてそれを止めようとした別の仲間に木剣とは言え刃を向けたんだから」
「ふむ、どうやらその自分を制御できていない部分が大きく精神に影響しているようだね、多分アレはその無双具合と自分の心にある隙間を塗って扱うものの様らしい」
マサカツとヴィーシャがその後も色々と話している間にヤヒスが風呂から上がり、ぎこちなくおやすみを言った後二階に上がって行った。
「あの気にしすぎるところは『成り』の発動に影響しそうな気がするな」
「同感、不完全だけど周囲の何物にも気にしない状態であの強さを成り立たせていたようなフシがあるもの」
その後マサカツは自室に戻り、ヴィーシャはパムを背負って二階に上がり、彼女を寝かしつけた後自室に戻った。




