ジャパンでの修行①
ヤヒス達一行は、ジャパンでのクエストを終えて街路を歩いていた。
「やぁー噂ほどの魔物では無かったねぇ」
「ふん、俺たちが確実に強くなっている証だと思うけどね」
ヤヒスとマサカツが何やら話をしていると、掲示板の前でヴィーシャが足を止めた。
「む、ヴィーシャ何か気になるクエストでもあったか?」
「万々寺と言う寺?で修業を受け付けているのよ、一週間一万ゴールドで」
「本当ですね、芯の強さとは精神、すなわち心になり、神は己の中にあるそれを引き出すこと肝要なり」
「哲学に近い考え方なのかな・・・」
ミードリとパムは良くわからないと言う顔をしている。
「あーーー・・・これは俺のいた世界にもあった、多分結構きついけどやってみる?この値段なら安いし」
「『きついけど』と言われるとなんだかよけいに挑んでみたくなるわね」
そう言ういきさつで黄昏パーティー一行は万々寺を訪れることになった。
階段はもろく、何段登っても寺が見えてくる様子が無かった、ようやく山門が見えてきたころには、さすがの黄昏パーティーを疲労を感じていた。
敷地内に入ると、廃寺と見まごう様相で、果たしてここで合っているのか不安になっていたところで、マサカツが大声を上げた。
「ごめんそうろうーーーーー!!!修行の件でまかり越したしだい!!どなたかおられぬか!!?」
暫くすると寺の中から白装束に奇妙な形をした被り物をした屈強な男が出てきた。
「なに、修行と、奇特な方々だ、誰も来ないのでふてくされておったところだ、ワシは仙空と申す、さぁさ、もう暗い、中に入り下され」
案内された広間は床は軋み、戸は傾き寒々しいものであった。
暫くすると男が部屋に入って来て言った。
「今この時より修行の道に入った、隣に善を用意したから食すように」
一行は参道を登ってきたことですでに空腹となっていたので笑顔で部屋を移動したが、マサカツだけは苦笑いをしてついて来た。
「さ、座りなされ」
座布団も何もない板の間に正座すると、善にはごく薄いかゆと、ゆり根に漬物だけの質素に質素を重ねたような内容であった。
「かように質素な内容に驚いたであろう、これも修行、ささ、いただかれよ」
皆が困惑している中マサカツだけはかゆに漬物を入れてすすり上げて噛み込みゆり根を少し嚙んで飲み下し、食後の挨拶をした。
「ほう、お前は手慣れておるな」
「食べるのは初めてだけど内容は分かっていたからね」
「ならば先ほどの間にむしろが用意してある、適当に引いて被り、眠りに入られよ」
マサカツはその場を後にして広間に向かった。
その後全員でショボショボと食事を済ませ広間に向かった。
「なにこれ・・・食べた気がしないわ」
「腹が減ってたまらんわい」
ヴィーシャとフィスはあからさまに不安げである。
「この食事が毎日続くのでしょうか・・・」
「まぁ・・・修行だから」
ミードリの言葉にヤヒスが答えた。
広間に入ると部屋の片隅で、藁を編んだものを敷き、それをかぶってマサカツが寝転がっていた。
「な・・・あの藁屑が寝具なのか?以前のプルツの方がよほどましだぞ・・・」
「修行なんだろうね」
リャヒは驚いてマサカツの様子を見ている。
パムもまたため息をついたあと、部屋の片隅に重ねられてむしろを取って来た。
全員無言で作業を終えたが、なかなか寝付けないでいる。
「寒い・・・」
ヴィーシャが声を出した。
「床が痛いです、ミードリはごそごそと身体を動かしている」
「何でマサカツは平気で寝ていられるんだろう・・・」
ヤヒスはあきれたという声を出した。




