シン・魔王10
「私たちが助け出した・・・?と言う状況で良いのかしら??なのに全く無視とはちょっといただけないわね」
「まぁ・・・向こうも姫様が無事かどうかと、兵士が無事だったところに気を持って行かれているんじゃないかな」
ヴィーシャとヤヒスはそろって並び兵士たちが戻ってくるのを見つめている。
その内地位の高いと思われるマントをした男がこっちにやって来た。
「黄昏パーティーだったか?姫様の救出に礼を言う、良くやってくれた」
「いえ、国家の危機へに対して協力させていただいたこと光栄に思います」
それに対しヴィーシャはうやうやしく礼をしてあくまでへりくだった態度を見せる。
「ふむ・・・報酬ははずませてもらう、また貴君らの住居に書簡を届けることになろう、それから姫様を救出した旨は伏してもらいたい」
「承知しました」
端的な会話をしてマントの男は隊列に戻って行った。
「ところで美咲は指示があったことを成し遂げたのだから、日本に帰れるんじゃないのかい?」
「特にそう言う声は聞こえてこないね」
『ではこちらの見解と指示を示そう』
「うぉっ!?モノリスの声!!」
「あっ!黒い板」
『美咲が去った後、将来的に大きな戦争が発生する可能性が高いとわかった、そのため各国共通の敵として魔王を据えておくことで、国々がその脅威に対して協力体制になると想定された』
「つまり、私はここに残って魔王のふりを続けなくちゃぁならないってわけね」
『そうだ、国家間の状況を見てまた指示を伝える、それまでは待機していてくれ以上だ』
「あっちょっと黒い板!!」
「はー・・・モノリスはホント一方的だな」
「あなた達誰と喋っていたの?」
ヴィーシャが二人のそばまで来て話しかけてきた。
「うん?俺たちは違う世界から来ただろう?その時に使命と言うか指示を与えるヤツがいるんだよ」
「そう、黒くてデカい板」
「それで今回姫様を奪ってそれから救出されたから、美咲の役割は終わるはずなんだ、それが別の使命を押し付けられたんだ」
「魔王と言う存在がいることで各国が脅威に対して協力するように促すんだって」
マサカツと美咲は渋い顔をしている。
「ところで・・・マサカツさんはどう言う役割でここへ来たの?勇者とか?」
「ん?んーーー『神』」
「へ?」
美咲とマサカツは言葉を重ねていく。
「で、前任の神がむちゃくちゃをやったんだ、それでヤヒスやヴィーシャが協力して倒したんだが、それで後任の神として俺が選ばれた」
「チートスキルでも貰ったの?」
「いや、前任がチートスキルだったから俺は能力に大幅な制限をかけられた」
「大幅、どのくらいなの?」
「この世界の常識のインストールとあらゆる言語を理解できる能力」
「え?それって基本的なパッシブスキルじゃない・・・」
「そうだねぇ・・・」
「神として役立つの・・・?」
「うっ・・・」
「役立つよ、俺たちの知らないことを色々知っているしマサカツ無くしては無しえなかったこともあるんだ」
ヤヒスは笑顔で美咲を見つめている。
「そうか・・・現代知識・・・それなら神業として成り立つね」
「ねぇ美咲ちゃん」
「何ですマサカツさん」
「シン・魔王って安藤監督のシン・ゴジュラとかのシリーズから取ったでしょ?」
「ブフッ!!ちょっとやめてくださいよ!!名前つけた時はすごい良い感じだと思ってたんですから!!あああ恥ずかしいい!!」
異世界転生者の二人はそれぞれに思う所があるようであった。




