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シン・魔王⑨

「うん、じゃあ気のすむまで居たらいいよ」

「ちょっとマサカツそんな軽い感じで・・・」

マサカツの言葉にヴィーシャがこそこそと話しかける。

「大丈夫だ、あの人なら」

ヴィーシャは良くわからないと言う表情でマサカツを見つめた。


「ちょっと、キングボンビーを押し付けないでくださいまし!」

「へっへ、借金地獄になれ~」

「我はこのまま一番乗りだ」

「だーーーボンビーを振り切らないと」

姫様はもむ鉄をプレイして興奮している

ヤヒスやリャヒも嬉々としてプレイしているが、マサカツはキングボンビーを姫様に押し付けて笑っている。

「あなた達、サーバーの中に何万ものゲームがあるのに何で『友情破壊』ゲームをしているのよ・・・」

美咲はあきれたような顔でプレイ中の四人を見つめている。

「他のゲームは多人数プレイできないし難しいんだ、ボタン操作も複雑だしこれは直感的にわかる」

「次は『しんぐう』ですわ、今度は誰かにぼんびーを押し付けてやりますわ」

「異世界の姫が『新宮』って言ってるわ・・・世界観が・・・」

美咲は机に肘をついてつぶやいている。

「ちょっと!!また甲羅じゃない!!出したの誰よ!!」

「フフフフ・・・」

それを聞いたミードリが薄笑いを浮かべている

マリーオカートをプレイ中の女性四人はなんだかんだ言いながら楽しそうにしている。

それから半月後。


姫はいつものコスプレ衣装ではなく、正式なドレス姿をしている。

「皆さま・・・今までありがとうございました、私は今日ここを去り、元の城へと戻ろうかと思います。

「寂しくなるね」

「ええ・・・でも決めたことなのね」

ヤヒスとヴィーシャは真剣な目で姫を見つめている。

「・・・自らの役目に戻ること、役目の重要さに気付いたと言うことか」

「はい」

リャヒの質問に姫は頭を下げた。

「いいのね?姫?」

美咲は真剣な顔をしている。

「じゃ、さっそくフロア移動するわよ黄昏さんたちは武器をもって」

「ああ、わかった」

ヤヒスの言葉に皆支度を整えて準備完了した。

「フロア移動、入り口前」

その場にいた全員が城の入り口付近に移動してきた。

「いい、さっき打合せした内容で話を合わせてね」

美咲がそう言うと全員うなづいて外に出て行った。


「お、おい!!誰か出てきたぞ勇者パーティーが潜入してずいぶん経つがよもや逃げ出してきたのではあるまいな・・・」

軍の大将は目を細くして城から出てきた一団を見据えている。

「・・・おお!!あれは姫様だ!!皆続けぃ!!」

走って来た軍勢は姫と黄昏パーティーの一団を取り囲んだ。

「姫様!!ひどい扱いを受けておりませ何だか!?」

「いいえ、客人としてのもてなしを受けておりました」

「おぉ・・・魔王にそんな心が・・・」

「とにかく早くソヴィレバーレの城に戻りましょうお父様が待っていますわ」

「はっ、すぐにでも」

そのまま姫は馬車に乗せられ、ソヴィレバーレ方面に去って行った。


「行っちゃった・・・じゃあ次は兵士を解放するね」

美咲がそう言うと兵士がぞろぞろと門から出てきた。

「おっ、おい!!!兵が出てきたぞ!!」

「おーーーいお前らーーーー!!」

その場にいた兵士は皆駆け出して、門から出てきた兵士に合流した。

「ひどい目にあったろう・・・辛かったか?」

「いや・・・むしろ快適だった、三食美味い飯が出たし寝床も快適、訓練は厳しかったが今までよりいいぐらいだったぞ」

そこかしこからそのように快適だったと言う話が飛び出してきている。

「魔王は一体何をしたかったのだろうか・・・」

「わからん・・・まぁとにかく良かった」

そう言う具合に話が落ち着き、黄昏パーティー一行と美咲はぽつんと取り残されることになった。

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