シン・魔王③
「エクスプロージョン・ジョンボール!!」
ミードリは大回廊の入り口から手のひら大の火の玉を投げ入れた。
「パム!!」
ヴィーシャが叫ぶとパムはその入り口に頑強なフィールドを展開して蓋をする形にした。
「耳をふさいで!!口を開けて!!今!!」
ミードリが叫んだ直後にすさまじい振動と爆裂音が黄昏パーティーを襲った。
「う~~~~耳がジンジンする~~~~」
ヴィーシャは身体を縮こまらせて目をシパシパとさせている。
「相変わらずすごい魔法だな・・・」
「あの規模の通路に魔物を詰め込んでおくなんてこう言う攻略の仕方をしてくれって言うようなモンだぞ・・・」
ヤヒスとマサカツはそれぞれ何事か口に出している。
「で、魔石は?」
「このフロアでも魔石は出ませんね」
「どういう事なんだろう・・・」
ヴィーシャの言葉にミードリとパムが首をひねった。
「マサカツはわかってるんでしょ?何で魔石が出ないか」
「ああ、おおよその見当はついている」
ヤヒスと問いにマサカツが答える。
「ふむ・・・一人で訳知り顔をしていないで、我らにも理屈を説明したらどうだ」
「あ~~~説明が難しいし、長くなるんだよ、魔王に会ったらその時に全部話すよ」
リャヒは度し難いと言うような表情を見せたが、マサカツはそれも煙に巻いたような言葉であしらっている。
暫く階層を進み、ひときわ大きな扉が見えてきた。
「ん?ボス部屋っぽいなぁ」
「そう言う感じね、何だっけ?シテンノ?とか言うのがいるのかしら?」
ヤヒスとヴィーシャが軽い感じで会話している。
扉に近づくと、それは自然に内に開いていった。
中は魔石で薄明るく照らし出されており、中央に常人の三倍ほどの大鎧が大鉈を担いで鎮座している。
「来たな・・・私は四天王が一人ハインライン、みごと私を倒し上の階へ足を踏み出して見せろ」
「ハァ・・・世界観が台無しだぞ・・・このボスは、まぁ俺は嫌いじゃないけどなハインライン・・・」
マサカツは頭をかいてため息をついている。
「鎧系なら俺だね、サポートたのむヴィーシャ」
「ええ、わかったわ」
ヴィーシャはそう言うと体験を水平に構えて突進している、攻撃を受ける型だ。
その後からヤヒスが腕を構えながら追随する。
大鎧は以外にも素早く機動し、ヴィーシャに大鉈を振り下ろしたが、彼女の大剣に食い込むこともなく弾かれることになった。
「ヤヒス今!!!」
「おう!!射程範囲内!!剥離!!」
ヤヒスが叫んだとたん、大鎧は弾け飛び、中から妙な形状の服を着た男が転がり落ちてきた。
「あ・・・うわ・・・うわぁーーーーー!!!!」
出てきた男は叫び声を上げながら奥にある扉に向かって走りそのまま消えていった。
「なんじゃあれは・・・?情けないのう、鎧が脱げても戦う気概を見せんかい!!」
フィスは憤慨している。
「いや、あれは無理ですよ、あれだけの大鎧、戦闘はそれに依存した戦い方になります、鎧が無くなったら逃走するしかないですよ・・・」
ミードリはため息をつきながら言った。
「ふむ、まぁとにかくシテンノとやらを倒したから先に進もう」
「賛成」
リャヒは顎を掻いて、パムはゆっくり歩きながら言った。




