温泉施設を作れ④
「はっはっは、決まったな?自己紹介がまだだったな、俺はガンス」
「ヤヒスです」
「マサカツだよ」
「リャヒと言う」
「うんうん、若ぇもんはいい、お前ら皆良い目をしてやがる、ところでどの辺りの領地に共同浴場を建てるんだ?」
「プルツだ」
リャヒが笑顔で答える。
「プルツ・・・プルツ・・・どこの領地・・・あっ!!あの北方のドン詰まりの!!獣人を引き取った国か!!」
「ははは、その通りのどん詰まりだ、だからこそ共同浴場が必要なのだ」
「ふーむ・・・ところでアンタ、えらく仕立ての良い服を着てるなぁ、ああ、プルツの使いの人かね?」
「いや・・・コイツは・・・」
マサカツが苦笑いをしているとリャヒはスクと立ち上がり声を張って言った。
「我はプルツの国王、国を統べる者だ」
「え・・・?ええっ?国王が自ら来てんのかい??ああ~~こりゃぁリャヒ国王には色々失礼なこっちゃしたなぁ」
「はは、かまわん、呼び名もリャヒで良い」
リャヒは楽しそうに笑った。
「ところでそのプルツでは何でまた共同浴場を?聞いていた限り財政も厳しいんだろう?ああっまた失礼なこと言っちまった、下町育ちはこれだからいけねぇや」
それを聞いてヤヒス達三人はわらい、和やかな雰囲気になって来た。
「実はプルツの住居付近で温泉が出ているのが分かってな、日々土木や農業で疲れて汚れた領民に楽しんでもらおうとな、それと貿易に来る者たちから少額のゴールドを貰い楽しんでもらい、ゆくゆくはドルガンの様な名所にしたくてな、何もない国を脱したいのだ」
「・・・俺は感銘を受けちまったよ、領民のためによ、それに自国の発展をちゃあんと考えている」
「うん、だから俺もマサカツもリャヒに協力している、良い国にしてほしくてね!!」
ヤヒスはリャヒの肩をポンポンと叩いて言った」
「むぅ~~~ん・・・友情だなぁ、俺ぁ感動しちまったよ、よぉし、今月末にはプルツに入れるように準備しとくからよ、そっちも人足が泊れて飯も食える準備を整えといてくれぇや、それと、デザインはこっちに任せてくれ!!ええのをこしらえてやっからよ!!」
「ありがたい、木材も石も好きなだけ使ってくれ、何せプルツは名産地だからな!」
「あっそうか!!北方の木材は建築屋ならだれでも使ってみたいとされる物だったな、こりゃ腕が鳴るぜ。
ガンスはからからと笑い握手を交わした後でヤヒス達は建屋を出た。
「強烈なキャラクターだったなぁ・・・」
「うん、でもいい人だったよ」
マサカツのつぶやきにヤヒスが答える中、リャヒは腕を組んで歩きながら話し出した。
「最初は極貧にあえぐ中で他国に侵略しようと考えていたが、お前たちにそれを阻まれたどころか人材交流や農地改革などが進んで行き、今では他国と対等な立場で取引が出来ている、我はこれこそ『縁』と言うものだと思う、先ほどのガンス殿もそうだお前たちには感謝している・・・」
「ははっ大げさだな、でもそうだとも思う」
「俺のいた国では『邂逅』と言う言葉があってな、ある日ある時何かの繋がりで偶然に人とめぐり合うと言う意味だ、歴史の中でもこの二人が出会わなければ大きく異なった結果になっただろうと言われることは無数に存在する、それこそ何かの導きと思えるようなね」
ヤヒスとマサカツはリャヒに対してそれぞれ声をかけて笑いながら街路を歩いて行った。




