温泉施設をつくれ②
翌日は朝からマサカツは広場に北人と獣人を集めて点呼を行っていた。
「2-4-6-8-10の2-5ヨシ!」
「兜は良いか!?」
「ヨシ!!」
「今日も一日!!」
「ご安全に!!」
マサカツは場所を移動して、建屋に入って行った。
「よぉーーーしここだ!」
マサカツは切り出した材木がたくさん置かれている建屋に入った。
そこには様々な寸法の木材と金具が置かれていた。
「ここには伐採班と加工班が伐り出して整えた木材がある、これを結合する、ヤヒス!!」
皆と同じく兜をかぶったヤヒスが出てきた。
「安全第一!!」
「あ、安全第一!!」
ヤヒスの言葉に人足たちは声を合わせた。
「さて、ここからは俺の出番、加工した木材を結合していくよ」
ヤヒスはそう言うと両手を前に出す、そうすると木材が宙に浮きあがった。
「結合!!」彼の叫びで木材はコの字型に組みあがった。
「お・・・おおぉ~~~」
人足たちは驚きの声を上げている。
「さて、これを木材運搬班、ヤヒスが結合、完成した湯路を片付ける班で流れ作業をしていく、決して無理をせず続けるんだ、作業はじめ!!ヨシ!!」
マサカツの号令に対して「ヨシ」と答えた人足たちはまごまごと慣れない作業をこなしていった、何度も繰り返すうちに、リズムに乗って効率よく作業は流れていき、木材が尽きた時点で作業終了となった。
「なんだかおもしろかったな」
「ああそうだ、皆で一緒にやると楽しい感じがするのう」
人足の北人と獣人たちは作業の達成感からか笑顔で会話を交わしている。
「よーし!!そこまで!!本日の作業は終了!!けがや体調不良の者はいないか」
今日もその言葉には反応がなく無事故で作業が進んだのが分かった。
「案外早く進みそうだね」
「うん、木材の切り出しや加工も手際が良いし、あの重い材をひょいひょいと運ぶのは非常に頼もしいよ」
「そうなるとそろそろ風呂や建屋の建築も進めて行く流れかい?」
ヤヒスとマサカツは建屋から出て広場にあるベンチで腰を休めている。
「それなんだが・・・失礼な話になるんだが、ここや君の村の石工や大工ではドルガンやジャパンの温泉の様な様式をつくるのは難しいと思うんだ」
「うーん・・・ウチの村はついこないだまで風呂が無かったから当然マサカツの言うとおりだとは思うんだけれども、そうなるとプルツの大工もなぁ・・・」
マサカツの言葉にヤヒスが顔を曇らせて答える。
「この土地まで人が来るような見栄えのする建屋が望ましいんだが・・・やはりソヴィルバーレから風呂職人を呼ぶべきか・・・しかし遠方だし他国の要請だから金をふっかけられるだろうな」
マサカツは大まかな計算をしているようで何かぶつぶつと言いながら指を動かしている。
「リャヒには悪いがここの財政でそれが出来るとは思えないよ・・・」
「うーん・・・とりあえずリャヒに報告しに行こう」
マサカツはそう言って立ち上がると、ヤヒスと二人城の方に歩いて行った。
「・・・そうか、湯を引く段まではここにいる者で出来るが風呂の建物を作れない、いや、プルツが誇れるような洒落たものでなくてはならない・・・か」
顔を曇らせているリャヒに二人は頷いて返事とした。
「失礼だけど財政は?」
「鉱石や希土類の輸出で予想外の収入が見られている、次は食物のたぐいだな、これは他にも農産地があるからソヴィルバーレや各領主に出すとしてもたかが知れている・・・ところで風呂の建物をつくる予算はどのくらいか?」
ため息をついたマサカツが答える。
「おどろくなよ・・・・4500万円前後だ」
「よ!4500万!?」
「ああ、とは言っても概算だからな、3000万で作れるかもしれないが納得できるものが出来ない可能性がある」
リャヒは眉間をトントンと叩きながらうめき声を出した。




