温泉施設を作れ
「とにかく良かった・・・温泉が自噴しているのも大いに助かる」
マサカツは安どのため息を吐く。
「ジフン?てどういう事?」
ヴィーシャはマサカツの言葉が良くわからないようだ。
「ん、ああ、地表に温泉が湧き出てくることを言うんだ、これはあまり多くない例でね、大抵は掘削作業がいることになる」
「クッサク・・・」
「ああ、地面や岩盤に穴を開けることさ、そうだな2-300メルトは掘らないといけないだろう」
「そんなに!?岩盤を200メルトも掘らなくちゃなの??」
「ああ、機械の無いこの世界だと大変なことになるだろうね・・・」
そのような話をしながら畑の近くを歩いていると、ヤヒスが声をかけて来た。
「やぁ」
「ああ」
「精が出るわね、フフッ楽しそうだわ」
「ところで、温泉はどうだったの?」
「ああ・・・それがな・・・ぜんぜん・・・バッチリ湧いている場所が見つかったぞ!!!」
「おおお!やったな!」
ヤヒスとマサカツはハイタッチをしている。
「それでこれから先はどんな作業になっていくんだい?」
「お、ヤヒスもわかってきたな、温泉を近場に引きつつ湯冷ましをする」
「ん?そんなに高温なのかい?」
「そうなのよ、ちょっと触るだけでも熱いのよ」
ヴィーシャがため息をつく。
「どうやって冷ますんだい?」
ヤヒスの言葉にマサカツは先ほどヴィーシャにしたのと同じ説明をした。
「へぇ・・・なるほどじゃあこれからリャヒに報告に行くところかい?」
「うん、君も行くかい?」
「ああ」
そのような流れで三人は城に向かいリャヒの執務室のドアを叩いた。
「うむ、入れ、おぉお前たちか、今日は何の報告だ」
「へっへーん、温泉が見つかったのさ」
マサカツがそう言うとリャヒはガバリと椅子から立ち上がった。
「それは誠か!?」
「まことまこと、明日にでも工事に入れると思うよ」
「うーむ・・・やってみる物だな・・・」
「ただまぁ工期はそれなりにかかると思うよ」
マサカツが顎を押さえるのを見てリャヒがすぐさま返事をした。
「かまわん!温泉施設が出来たとなれば、商人や旅人にも好評をはくすであろう、時間をかけて良いものを建てて欲しい、いや、良くやってくれた」
翌日からマサカツは源泉の慣らしに入った。
北人や獣人の中でも特に力が強いものが集められた。
「マサカツどん、このかぶっている兜と書いている文字はなんだぁね」
「うんだ、俺たちには読めねぇ」
それに対してマサカツは答えた。
「工事と言うものは不確定な要素が存在する、それによって危険が生じることがままある、それに対して頭を守るために被るんだ、その文字は『安全第一』気を抜かず手を抜かず安全に作業しようと言う心構えが書いてある」
「なぁるほど、危険はつきものだ」
「戦でもまず頭だものな、理に適っとる」
人足たちは互いに何かもろもろと話し合っている。
「よ~し、ではツルハシを入れるぞぉ~~そぉれ!!」
マサカツは岩盤にツルハシを入れて大声を出した、同時に拍手をすると、人足たちも拍手をした。
そこからは早かった、マサカツが指示しつつツルハシを入れながら全体を統括していたが、さすがに力自慢である、どんどんと工事は進み源泉溜まりは半日で完成してしまった。
「うんうん、すごいな、ところでけがをした者や気分の悪い者はいるか」
その声には誰も反応しなかった。
温泉施設の建築はまだ始まったばかりである。




