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海龍を鎮めろ①

朝になると望洋郭を出て、冒険者ギルドに向かった黄昏パーティー一行はギルドの引きを開けて中に入った。

「おや、前にも見た顔だねぇ、クエストを選びに来たのかい?」


受付嬢は煙管を吹かしながら一行をみて言った。

「海龍のクエストを受けたいの」

「アンタ達もかい?こっちも困っててねぇ、全然成果が見られないもんだから、報酬も釣りあがってね・・・」

それを聞きながらヴィーシャは掲示板の張り紙を剥がしポーチにしまった。


「それじゃあ昨夜話し合った作戦で行くわよ」

ヴィーシャがそう言うと全員うなづいて、街道を山側に向かって進み、人気のない山裾で、チヌックをグリフォンに戻した。


「まずは海上に出て低く飛んでくれないか、チヌック」

「は、おおせの通りに」

チヌックはパーティー全員を背に乗せて空に舞い上がり、しばらくして洋上に出ると海面近くを飛んで行った。


「さて、うまくいけばコレで海龍をおびき出せるはずだ」

しばらくすると、海面に黒く大きなものが浮かびあってきて、その長い首を海面から突き出した。

「プ、プレシオサウルス・・・海龍とはこういうことか」

マサカツがつぶやいているうちに海龍はどんどん近づいて来た。


「パム!!スタンを放って!!」

ヴィーシャの言葉に反応したパムはスタンを海龍に放った。

瞬間、海龍は首を海面に突っ伏し、動かなくなった。

「行くわよ!!ヤヒス!!マサカツ!!」


ヴィーシャの言葉に二人は海龍の背に飛び降りた。

「むぅ背中に直接乗るのは心配になるな」

「パムのスタンはあの大きさでも10分は効果を発揮しますその間に『何らか』を発見するのです」


「俺の予想では怪我でもして凶暴化しているとか、その辺りだと思うけど・・・」

三人は海龍の背中を見回していた、そのうちにヤヒスが大声で二人を呼んだ」

「おーーい!!何か刺さっているよ!!」

その言葉を聞いたヴィーシャとマサカツは海龍の尾に向かって進んだ。


「これだよ、二本刺さっている」

「これ・・・なに?」

ヴィーシャは怪訝な顔をしている


「漁師が使う銛だろう、なるほどこれの痛みとそれをやった人間に対して怒っているんだ」

「じゃぁコレを抜いてしまえばいいの?」

「うーん・・・解決すれば良いけど」

マサカツとヴィーシャはうかない顔をしている。


「これを無理や抜くと痛いだろうから、剥離を使おう、剥離!!」

剥離の効果で銛は抜けたが、まだ痛々しい傷が残っている。

「パム、降りてきて!!」

「うん」

ヴィーシャの声に反応してパムが海龍の背に降りてきた。


「ヒールだね?」

「うん、よろしく頼む」

パムはヤヒスの指示で傷口にヒールを施すと、傷が塞がっていき、海龍の傷は癒えたようだった。

「おまえたちそろそろ時間だぞい」

フィスが声をかけて来たので四人はチヌックの背に戻った。


しばらくの間海龍を観察していると、海龍は組をもたげチヌックの背に乗る黄昏パーティーをじっと見つめていたが、その内に海中に没していった。

「これでうまくいくのでしょうか・・・?」

「む、わからぬのう、だが動物と言うのは凶暴な種類でもケガなどをいやしたり食料を分けたりするとその後は心安く接してくると言うのは何件か耳にしている」


「うーん・・・しばらくはジャパンに滞在して様子を見た方が良いな」

「そうね、とは言っても暴れ続けているのなら討伐するしか無いわね・・・それは残念なことだわ」

ヤヒスとヴィーシャは海面を見下ろしながら不安そうな表情をした。

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