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海龍を鎮めろ②

投稿順を間違えましたので①ー②の順で読んでください。

海龍の身体に撃ち込まれていた銛を抜いてから3日目、黄昏パーティー一行は確認のために船で海へ漕ぎ出そうとしていた。


「ふぅ・・・駄目だな、どの船も艪漕ぎ船であり、素人では到底扱えるものではないよ」

「そうなのね・・・じゃあ船頭を雇えば良いじゃない」

マサカツとヴィーシャが会話しているのを見てヤヒスはつぶやいた。

「そううまくいくと良いけどね」


「なぁにぃ?!沖へ船を出せって!?冗談じゃねぇ海龍が出て危なっかしくてしかたねぇ!」

「その水龍が襲ってくるかどうか確かめるために・・・謝礼も弾みますから」

水夫とマサカツが交渉をしているが、これまでに何人にも断られている状態である。

「やはり皆さん怖がって船を出してくれませんねぇ・・・」


「それはそう、何も知らない水夫たちにとっては死地に向かうようなもの」

ミードリとパムは遠巻きに見ていながらため息をついていたが、そこに声をかけてくる者がいた。


「おぉいお前さんら、沖に船を出したいんだって?金も弾むって聞いたが俺が受けてやるよ、ヒック」

「ン・・・お酒の匂い、酔っていて船を出せるんですか?」

「あったりめぇよ、ヒクッ、船は俺の手足のようなもんさ、酔ったくらいで何ともねぇ」

「む、ヴィーシャよ、水夫が確保できたようだぞ?」


リャヒが声をかけるとヴィーシャとマサカツがやって来た。

「うっ、お酒臭い・・・だいじょうぶなの?」

「この子にも言ったが酒くらいで操船をあやまったりしねぇよ」

「しかしおぬし、皆が引き受けない中で何でも、やろうと言う気になったのだ?」

フィスの言葉に水夫が答える。


「へっ!沖に出られなきゃ魚も取れねぇ、獲れなきゃ銭にもならねぇ、ふてくされて酒浸りよ、そんなこんなで借金が溜まってヤクザモンから追い立てられていてよ、殺されるも海に出て死ぬかも一緒ってわけよ、がはははは」

「あっけらかんとすごいことを言うね」

パムはあきれた様子である。


酒酔いの水夫について船着き場に到着すると、彼は手を差し出した。

「ほれ、50万ゴールド」

「なっ、暴利であるぞご老体!!」

水夫の言葉にリャヒが声を上げる。


「だったら良いんだぜ?おめぇさんらもわかっていると思うけど、俺以外に船を出そうってなぁいやしねぇぜ?」

「リャヒ、大丈夫よ、安全が確認できたらクエスト成功でその倍くらいのゴールドは出るわ」

「じゃぁ前金でな、沈むにしても銭抱えて沈みたいんでなヒッ」


ヤヒス達は前金を払い水夫の船に乗り込んだ。

「うっ窮屈ねえ」

「リャヒがでかいからこっちはもっとだよ」

ヴィーシャとヤヒスは何のかんのと言い合っている。

そのまに船はすべるように沖へと向かって進みだした。


「へぇ~~大したもんだな、この艪ってのも構造が不思議だが思ったよりもスピードが出ている」

「そうですね、お酒が入っていても見事なものです」

その内水夫は陽気に歌を歌いだした。

「これでは海龍を確認すると言う雰囲気ではないのう・・・」

「本当にそう」

フィスとパムは並んでため息をついている。


「おおぃ、海龍が出るのはこの辺りだって言うぞ気を付けろよ」

水夫がそう言うか言わないかの内に、海面が盛り上がり海龍はその巨体と首を水面に表したかと思うと、その長い首を水夫の眼前に突き出した。

「かっかかかか・・・」

水夫は海龍を間近に見たことで目を回して倒れた。


その後、海龍は黄昏パーティー一行をなめ回すように首を回した。

するとフィスが立ち上がり海龍に声をかけた。

「おい、海龍よ今後も人間を襲うのか?であればここでお前を討たねばならぬ」

しばらくして海龍は首を横に振った。


「うむ、では襲わないのだな?」

その問いに海龍はこくりと首を下げた。

「よし!じゃあこれで手打ちだの」

フィスの答えに海龍はクゥーーーーンと声を上げて水中に沈んでいった。


「ふぅ・・・」

「はぁ~~・・・」

ヴィーシャとヤヒスは深いため息をついた。

「しかしフィスは海龍と意思疎通が出来るのだな」

「馬鹿言え、ワシはドラゴンだぞ出来んでどうする」


フィスの答えに何人かが「あ」と言う顔をした。

「片付いた、早く戻ろう」

パムの言葉にヤヒスが答える。

「それは厳しそうだよ、コレが目を覚ますまではね」ヤヒスは倒れている水夫を親指で示した。

それを聞いた一行は高らかに笑った。

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