腕相撲大会②
ヤヒスは宙を舞い、ダイニングテーブルは真っ二つに割れた。
「ヤヒス!!」
「て、テーブルが!?」
ヴィーシャとミードリはそれぞれ違うことの心配をしている。
「いでぇーーー!!、お、折れた!!」
ヤヒスの手は手首からブランとぶら下がっている」
「わーーーっ!!」
ヤヒスの手を見てパムが声を上げる。
「むぅ!!大丈夫かヤヒス!!」
「結合使えば大丈夫・・・結合!!」
ヤヒスがそう言うと彼の手は元に戻り折れた骨がくっついたのが分かった。
「パム、痛みはまだあるからヒールを」
「うん、ヒール」
パムのヒールで痛みも無くなりヤヒスはため息をつくがすぐに笑顔になり叫んだ。
「すげぇえええ!!宙を舞ったしテーブルも割れたぞ!!あはははは」
「ま、マスターよ・・・申し訳ないのう・・・ひどいことをしてしまった」
フィスはしょぼくれた様子でヤヒスに近寄って来た。
「君は悪くないよ、初めてのことだからね、それよりも君がいれば優勝間違いなしだ」
ヤヒスはフィスの頭をそっと撫でた。
「ヤヒス、テーブルにも結合をたのめる?」
「よしきた」
ヴィーシャの頼みに、フィスを慰めていた
ヤヒスが答える。
「結合!!」
テーブルはぐいと持ち上がり欠片になった木材も浮かび上がり綺麗に元通りになった。
「フィス、気にするなよ、俺の手首もテーブルも以前より頑丈になったんだぜ、良いことじゃないか」
その言葉を聞いたフィスはヤヒスの腰に抱き着いて顔をこすりつけた。
「マスターよ、何かコツは無いのかのう?」
「うん?そうだね、相手の力にまずは合わせるんだ、そうするとちょうど互いの力が釣り合うだろう?」
「なるほどのう」
「そこから少しづつ力を押し込んで行って、相手の手を押さえつける時にはジワジワ押し込んでいくんだ、この時には力を入れていなくても力いっぱいやっているような表情をする、その方が違和感が無いからね」
「わかった」
ヤヒスとフィスは身振り手振りでやり取りをしている。
そしてソヴィルバーレ商工会主催腕相撲大会の日が訪れた。
「お~~~~人出がすごいな・・・」
「年一回の楽しみの一つなんだろうねぇ」
ヤヒスとマサカツは出店やら出場選手などを見て、その盛り上がりに感心している。
「エントリーしてきたわよ!!あの子は控室に行ったわ」
ヴィーシャが小走りに駆け寄って来た。
「商店街の人が何回も、君も出場するの?てフィスさんに聞いていておかしかったですね」
ミードリはクスクスと笑う。
「まぁそうであろう、見た目は少女であるからな、だがその実中身はドラゴン、本気を出せば対戦者全員の手首が折れるであろうよ」
「ちゃんと手加減できるかどうかが心配」
リャヒが頷いているのを見てパムは少し考えこむような姿勢を見せた」
その内に商工会の人間がもうすぐ大会が始まると喧伝し始めたので、黄昏パーティー一行も腕相撲用のテーブルが置かれた辺りに移動していった。




