腕相撲大会①
外出から戻ったマサカツが開口一番こう言った。
「温泉!!行こうぜ!!」
「何よ突然、まぁドルガンには久しく行っていないから良いけど・・・」
「いや、今度の温泉はジャパンのイーズと言うところだ」
「へぇ、ジャパンにも温泉があるんだね」
ヴィーシャとヤヒスは話が読めないと言った表情をしている。
「良いんじゃないでしょうか、ジャパンの温泉も楽しみです」
「うむ、興味があるな」
ミードリとリャヒはうなづき合って話をしている。
「それで、どんなところ?」
「うむ、そこが気になる」
パムとフィスはまだ気乗りしないと言った様子で場の空気をうかがっている。
「ふっふっ、なんとジャパンで最高級の温泉宿さ!!」
「最高級も良いけど、中間層位で良いんじゃないのかしら」
「うん、まぁそんなに気張らなくとも」
ヴィーシャとヤヒスは互いにうなづき合ってマサカツを見ている。
「それが何と無料ご招待なのさ!!」
「無料・・・どんな条件なんです?」
「そう、話しはそこに落ちる」
マサカツの話を聞いたミードリとパムはいぶかしんだような表情をしている。
「それはこのチラシを見てもらえばわかる」
マサカツはテーブルに一枚のチラシを置き、自慢げに腕を組んだ。
「む、ソヴィルバーレ商工会主催腕相撲大会・・・優勝パーティーには人数分のイーズ温泉最高級宿の宿泊券を進呈・・・」
「腕相撲で勝てば、と言う条件付きなんですね」
「優勝できるとは限らない」
リャヒがチラシを読み上げると、その内容にミードリとパムは困ったような表情を浮かべる。
「それが出来るんだな、フィスがいれば無双状態だよ、なにせ鍵がかかった鉄の扉を片手で引き剥がして放り投げるんだぜ」
「なんぞ?ワシが何かすればいいのか?腕相撲とはなんだ?」
「あぁ、そこからか・・・ヤヒス、俺たちで見本を見せよう」
マサカツの言葉にフィスは何かわからないと言うので、ヤヒスとマサカツで勝負することに決めた。
「うあーー腕相撲なんて久しぶりだな、賭け腕相撲は良くやっていたけど」
「俺も、暇になると村の仲間で勝負してた」
マサカツとヤヒスはそう言いながらテーブルに肘をつき、腕相撲の体勢に入った。
「まず、この体制で互いに手を握り合う、この状態から合図があったら腕を内側に思い切り叩き込むんだ」
「よし、マサカツ、やろう、レディーーー・・・ゴッ!!」
「うぬ・・・」
「くう・・・」
マサカツもヤヒスも顔を赤くして腕を交差しているが、ヤヒスがじりじりと腕を畳み込み、マサカツの手はテーブルに付いた。
「よっしゃあ!!」
「あぁー・・・くそ」
ヤヒスとマサカツはどこか楽しげに見える様子で、フィスに見本を見せた。
「とまぁこんな具合さ、次はフィスとオレでやってみよう」
「マスターよ、マスターの手をテーブルに付ければいいんだな?」
ヤヒスとフィスは互いに手を組んでいる。
フィスは身長が低いので木箱に乗っているため、一見ヤヒスの有利に見えなくもない。
「じゃ、いくよー、れでぃー・・・ゴッ!!」
次の瞬間、ヤヒスの身体は宙に投げ出され、ダイニングテーブルは真っ二つに割れていた。




