失踪事件②
「それで、皆の話を合わせると旅人や日雇い労働者が居なくなっているかもしれない、とあいまいな情報なのね、旅人も日雇い労働者も流動的で色々な町や村に流れていくから情報としての信憑性もわからないと・・・」
「言い方が良くないけど、下層市民のことなど誰も気にしていないってこと」
パムが悲しげな表情で言葉をもらす。
「ふぅん・・・こういう場合話が一つの方向に動き出すと、そこに話題や思考が流れていく場合がある、角度を変えて何か些細なことでも聞かなかったか思い出してくれないか」
マサカツの言葉に全員が考え込むような表情をする中でヤヒスが声を出した。
「あの、関係ないと思うけど、金物屋のおっちゃんに聞いたんだけど、日雇い労働者を三食部屋付きで金払いのいい仕事を斡旋していたことがあったって」
「私は依頼者の聞き込みをしたけど、商工会の出張と言って出かけた人が少なからずいた」
それを聞いたマサカツの目つきが鋭くなりヤヒスとパムに話しかけた。
「もっと詳しくは聞かなかったのかい?」
「えっ・・・聞いたことをほとんどそのまま話したよ」
「依頼人は商工会関係で出かけることは珍しくないと言っていた」
「その話し、あやしいな、俺のいた世界でも同じように食事や寝床高い給料をうたって、その実ひどい低賃金で働かせたり、犯罪集団に仕立て上げたり、ひどいものになると、その・・・内臓を売られてしまうんだ」
ヤヒスとマサカツの寄り取りを聞いてミードリがつぶやいた。
「ひどい・・・」
「うむ・・・日々の生活に困窮している者から更に搾取するとは許せぬ・・・」
「ええ、本当にそうだわ」
リャヒのつぶやきにヴィーシャが反応する。
「じゃあ次の段はどうする、もっと詳しく聞き込みをするかい?」
「いや、これだけわかれば十分だろう、おそらく衣食住を保証しているのは本当だろう、重労働か、犯罪集団集団か、どんな意図か知らないが何でも設備がいる、廃墟、廃城・・・そんな所だろう」
ヤヒスは真剣な目つきでマサカツは身振り手振りでやり取りしている。
「ではこの先どのような行動を?」
「うん、冒険者に聞き込みをする、イエールが詳しいかもしれない」
「冒険者が冒険者に情報などやすやすと渡すかのう」
ミードリとマサカツがイエールのことに言及していたところにふんぞり返っているフィスが口をはさんだ」
「ヤヒスがいるから大丈夫よ、イエールはヤヒスが大好きだしこういう時には甘いと思うわ」
「え?どういうこと?」
「やはりヤヒスは自覚がない」
ヴィーシャに言われてきょとんとした様子のヤヒスを見てパムがため息をついた。




