盗賊団を潰せ①
ヤヒス達はソヴィルバーレに戻ってからいくつかのクエストをこなし、一番手強そうなクエストに取り掛かろうとしていた。
「ソヴィルバーレ周辺で活動する盗賊団を潰すこと・・・これだけの情報では何もわからんわい、さてどこから手を付けたらいいのかのう」
「情報収集だね、まずは冒険者ギルドからだ、ヤヒス、ミードリ同行をたのむよ」
「えっいいけど」
「分かりました、力になることができるなら」
すこし驚いたような様子のヤヒスに対してミードリは初めからわかっていたような反応をした。
冒険者ギルドの扉を開けると中にいた面々がジロリとこちらをねめつけたが、入って来たのがヤヒスだとわかると朗らかに声をかけて来た。
「またぞろ遠出していたんだろう?どこ行っていたんだ?」
「ああ、向こうの大陸だよ、ジャパンの南にある街から大型船が出ているんだ」
「う・・・向こうの大陸?マジかよおまえほとんどの奴が行ったことが無いぞ」
「そうだそうだ、昔は冒険者の交流があったらしいがいまは噂程度の話しになっちまってるんだぜ」
「そうだったのか・・・」
ヤヒスはそこらの冒険者と向こうの大陸について話を盛り上げている。
「ねぇちゃんのロッドは新しくなっているじゃねぇか、良いのに買い替えたのかい?」
「ええ、折れてしまったので・・・ところで盗賊団の噂って聞いていますか?」
「お?アンタらのトコにあのクエストが回ってきたのか、ありゃぁ駄目だ、潜んでいるおおよその位置を掴んでもすぐ逃げられちまう、アジトを転々と変えてこっちを混乱させてくるのさ、カンがいいのか何だか知らないけど皆お手上げよ」
「そうですか・・・ありがとうございます」
ミードリは一人の冒険者とやり取りをしてわずかだが情報を掴んだのか、マサカツの方を見て目配せをした。
マサカツはそれを受けて隣にいた冒険者に話しかけた。
「ちょっと良いかな?」
「ん?ああ、お前も黄昏の、マサカツだっけか?」
「そうだよ、聞きたいんだけどさ、最近新入りって入って来たかい?」
「ああ、2人入って来たよ、一人は弓手ですぐパーティーを組んで今もどっかに行ってんじゃないのか」
「・・・もう一人は?」
「ん?あの奥にいるローブかぶっているあいつだよ、剣士なんだが変な奴でな最初に入ったパーティーをすぐ抜けてさ、俺には合わない・・・とか言ってたそうだが、それがまたすぐに別のパーティーに入って抜けての繰り返しよ、どうも寡黙で人と馴染まない奴だって噂だ」
「そうか・・・ありがとう」
マサカツは人混みを抜けてヤヒスに話しかけた。
「外に出て鷹状態にしたチヌックを連れて来てくれ」
「あ、ああ良いけど・・・」
ヤヒスは一度冒険者ギルドの外に出てチヌックを肩に乗せたかと思うと、もう一度ギルド内に戻って来た。
「ヤヒス・・・あの一番奥にいるローブを着た男をチヌックに覚えさせてくれ」
「わかった、何か策があるんだね」
ヤヒスはチヌックにその旨を伝えた。
「ミードリ、ホームに戻ろう」
「はい」
マサカツはミードリと手短に会話を済ませ、ヤヒスもそれにならって冒険者ギルドを出た。
「チヌック、さっき指示したローブの男、アイツが動いたら行けるところまで後をつけてくれ、俺の感だと城壁の外に出て、馬でどこかに向かうはずだ」
「了承した、盟友」
マサカツの指示を受けてチヌックは冒険者ギルドを見下ろせる家屋の屋根に向かって飛んで行った。




