インとヤン②
ヴィーシャの隣に戻って来たヤヒスは小声で言った。
「パムはやけどを負っているがヒールで何とかなるらしい」
「さっそく防御役が落ちたな、丸裸だぜ」
「どんな攻撃を受けたかって顔してるな、教えてやらねぇーー」
インとヤンが下卑た笑いをたてている隙にヴィーシャが前に出た。
それに対してヤンがロッドを向ける。
「ウォーターカッター!!」
そう叫びが響くとともに手のひら大のごく薄い水板が射出された。
ヴィーシャはそれに対し大剣をかざして攻撃を受ける体制を取った。
大剣の刃とウォーターカッターが相殺したかと思われたが、ウォーターカッターは回転しながら大剣の鋼鉄を鋭く割き、半分以上亀裂を入れた後でただの水に戻った。
「プ!!プチが!!」
ヴィーシャがそう叫んだと同時に大剣は地に落ち転がった。
「突然重くなった・・・インテリジェンスソードの効果が消えたんだわ・・・」
「ヴィーシャ、大丈夫だ、俺がやる」
「だけど・・・わかったわあなたに任せる
「おっしぃ~~~もうちょいで顔面真っ二つに出来たのによ~~~」
「ヤンよぉ、後はあの弱そうな奴だけだぜ、アイツを切り刻んでやりな!!」
それを聞くと同時にヴィーシャは腰に挿したショートソードを身構える。
「おうよ!!ウォーターカッター!!」
が
ヤンのロッドから再び円形の水盤がヤヒスにむかった。
「シーーールドバッシュ!!」
ヤヒスは水板をシールドでヤンに向かってはじき返した」
「なっ!?ぐわぁああああ!!」
ヤンの腕は肘から下が無くなり地面に落ちている。
「おっ弟よ!!!貴様何をした!?」
「教えてやらねーーー」
ヤヒスは先のヤンの口汚い罵りをそのまま真似した。
「ぐっ・・・くそぉーーー!!」
インは回転する炎をヤヒスに向かって放った。
「シーーールドバッシュ!!」
炎は射出時よりも速度を増して跳ね返され、インの脚に着火した。
「ぎやぁああああああ!!!」
インは地面を転がりもがき苦しんでいる。
「ヴィーシャ!!パムを背負って守衛を呼んでくるんだ!!」
「えっ!?わかったわ!!」
ヴィーシャはパムの所まで走り寄り、背負って北門を越えていった。
「さて、アンタらはどうせ守衛に確保される、もう2-3傷があっても誰も気にしないなぁ・・・」
ヤヒスはそう言いながらショートソードを右手でもてあそびながらインとヤンに近づいて行った。
「や、やめろ・・・これ以上は」
「うう・・・やめてくれ」
二人は完全に戦意喪失して地面に転がっている。
しばらくすると数名の守衛とヴィーシャが走って戻って来た。
「よかった、何事も無かったのね」
「うむ、この二人が裏社会の人間だと言うのか・・・」
守衛たちは手際よく捕縛していく。
「罪人の捕縛協力に感謝する」
そう言ってインとヤンを連れて北口に戻って行った。
「そうだ!パム!顔のやけどは!?」
「大丈夫、すっかり治った、でもエルフの服が無かったら危なかったと思う」
「そうか・・・よかった、ん?ヴィーシャ?」
パムと会話していたヤヒスはヴィーシャの様子に気が付いた。
「プチが折れてしまったわ・・・もうただの重い大剣よ・・・」
「ん?ヴィーシャは俺のスキルのことを忘れてやしない?
「え・・・あっ!!結合!!」
「そうだよ、その大剣は元々結合でくっつけたものさ、じゃ、いくよ!結合!!」
ヤヒスが声を上げると大剣は光り輝き、破損していた部分は綺麗に元通りになった。
「マスターヴィーシャ、今回の力不足、申し訳ない」
「ううん、良くやってくれたわ」
プチとヴィーシャは色々と会話している、それをヤヒスとパムは立ったまま見つめていた。




