インとヤン①
ヤヒス達は大陸を船で戻り、ジャパンなど町を越えてソヴィルバーレに迫っていた。
「我が主、ソヴィルバーレが迫ってまいりました」
「おっ、そうなの?んー・・・俺にはまだ見えないな、さすがグリフォンの視力だね」
「はーー・・・長かったわ、本当はもっと向こうの大陸にいたかったけど、勇者クエストがあるものね」
チヌックがヤヒスに報告したのを聞いてヴィーシャはため息をついた。
その後パーティーホームに帰りつき、勇者クエストを確認したが、8件と比較的少ないものだったので全員安堵し、掃除や買い出しなどこまごましたことをこなしていた。
ヤヒス、ヴィーシャ、パムの三人が雑貨屋の店先で話をしているときに、二人組の男に声をかけられた。
「黄昏パーティーの方々ですね探していたのですよ、お会いできて良かった」
「確かに黄昏パーティーですがあなた方は?」
ヴィーシャが怪訝な顔で振り返る
「これは失礼、私たちはインとヤンと申します、見た通り瓜二つの双子でして」
「二人ともロッドを持っている、魔導士の冒険者?」
「そうです、炎と水の属性でして」
パムの質問に二人は笑顔で答えた
「それで、どんな用ですか?」
「ええ、相談事がありまして・・・」
インなのかヤンなのかどちらかわからない方が返事をした。
「ならそこのカフェで良いかしら?」
「それが・・・秘匿性の高いお話しでしてどうにも・・・北門の外でじっくりお話しできればと」
「・・・わかったわ」
インとヤンはそろって歩き出して、黄昏パーティー一行はその背を追う形となった。
やがて北門から外に出て川沿いまで来ると先行していた二人は同時に振り向いた。
「早くロッドを構えなさい、私たちに勝負を挑もうって言うんでしょ」
「ハッ、話しがはえぇや、なぁイン」
「おうよヤン」
魔導士の二人はそれまでの丁寧な口調と笑顔を捨てて笑い顔を浮かべている。
「戦うのは良いけどどういう事情で俺たちなんだい?」
「ん~~おめぇ達は勇者パーティーだろ?対して俺たちは裏世界の人間さ、デカい組織に売り込もうってんで手っ取り早くお前たちを殺そうってのさ」
「裏世界・・・聞いたことはあったけど」
ヤヒスとヤンが会話をしている傍らでパムがつぶやいた。
「と言うわけでやろうや」
インが杖を構えると同時にパムがフィールドを展開してヤヒスはシールドに魔石を結合した
「スパークウォーター!!」
「某爆轟炎!!」
二人は同時に水と炎の塊をパムに向かって放出した。
「打ち消し合う攻撃!?何を!!」
ヤヒスは予想外の展開に声を上げた。
水と炎の塊はパムのフィールドの前で回転するように合流したかと思うと凄まじい轟音を上げ、水蒸気が激しく爆裂した。
フィールドはすべて破壊され、パムは衝撃で地面に叩きつけられ、後方に転がり地面を削った。
「パム!!」
ヤヒスはすぐにパムに駆け寄り顔を見た。
「あぁ・・・やけどが」
「いたっ・・・問題ない、ヒールで治せる」
パムは顔を引きつらせて答えた。
「アイツら・・・強い」
ヤヒスは鋭い目つきになったかと思うと、インとヤンの方へ歩んでいった。




