名探偵マサカツ③
「犯人は御者、棺桶で娘を運んだ」
人通りのない街路に出るとパムがつぶやいた。
「ああ、新品の棺桶に娘を入れて隣り町まで運んだ、棺桶を取り間違えたと言い訳をしている、生きた人間は運んでいないから目撃情報もないわけだ」
「しかし新品とは言えいいとこの令嬢が棺桶なんぞに入るかのう・・・」
マサカツの言葉にフィスは疑問を唱えた。
「それだけの覚悟がある恋愛だったんでしょう」
ヴィーシャはつぶやいた。
一行はそのまま南門から街道へ出てその後チヌックで隣町まで急ぎ、その門をくぐったところにある停車場に急ぐ。
「あのー、バンスさんって人はどの方ですか」
「ん?お前たちも死体取り間違え事件の噂を聞いて来た野次馬かい?」
「ははっ、そうだよ、気になっちゃってさ」
「アイツはさ、実は有名な商人の出なんだけどよ、親父さんに勘当されて出てきたらしいんだ」
「ええっそれが御者を?」
「ああ、良い奴で皆に好かれてるからそのことは誰も触れないでいてやんだよ」
ヤヒスは御者に話を聞くと一行の元に戻って来た
「わかったよ、あの人だ」
ヤヒスはバンスを指さしている。
「それでどうしましょう?」
「うん、チヌックに見張らせてアイツのヤサを突き止める、その後周囲に聞き込みをして情報の確度を上げてから部屋に行けばいい」
ミードリの声にマサカツが答える。
「じゃあ近くの宿を取りましょう、疲れたわ」
ヴィーシャが伸びをしていかにも疲れたと言うような仕草をする。
「じゃあ、チヌックたのんだよ」
「は、我が主」
ヤヒスの声にチヌックは空に舞い上がる。
夕暮れ色に町が染まる中で窓をコツコツと叩く音がしたので、その窓を開けるとチヌックが室内に滑りこんで来た。
「我が主、対象の住処が割れました」
「ありがとう、さっそく外に出よう」
宿を出るとチヌックを肩に乗せたヤヒスを先頭に街路を進んで行く。
「我が主、この建物の二階に住んでおります」
「分かった」
チヌックとヤヒスは建物を見上げている。
「はーお腹が減ったからそこの食堂に入ろう」
マサカツが提案したので一行は食堂に入り、席に着くと各々注文をしていく。
「女将さん、その辺に住んでいるバンスって知らない?」
「ああ、ずーっとウチで食事しているよ、評判もいい若いのだよ」
「そっかー、なんか棺桶取り間違え事件以降はバンスの様子はどうだい?」
「そうさね、気まずそうな感じはしているよ、あとはそうだねずっとその席で食事していたのにここんところ持ち帰りでねぇ、しかも二人分だからアタしゃいい娘でも出来たんじゃないかとにらんでるんよ」
ヤヒスの疑問に女将は楽しそうに答えてきた。
女将が厨房に戻るとマサカツがチーズをつまみながら言った。
「コレで決まりだね」




