矢筒
「たのんだよチヌック」
「は、仰せのままに」
ヤヒスはチヌックに跨り、塔のてっぺんまで行くと、しばらくしてまた下降してきた。
「ところで上には何があったの?」
パムの問いかけにヤヒスはリュックをおろして中にあるチェストを引き出した。
「あら、まだ開けてないんですか?」
「皆で一緒にって方が良いだろう?俺も1人で開けるなんてつまらないし」
「それにしても細長いチェストだのう、剣か何かがはいっておるのか?」
「何だろうね、とりあえずヴィーシャが空けてよ、リーダーなんだから」
フィスと会話しながらヤヒスはヴィーシャに声をかける。
「じゃあ遠慮なく開けるわよ、と」
ヴィーシャがチェストの金属ボタンを押すとガチリという音が鳴り、ヴィーシャはそのまま蓋を押し開けた。
「何だいこりゃ?」
「んー・・・どこかで見たような・・・」
ヤヒスとヴィーシャは困惑顔をしている。
「ちょっと良いかな」
そう言ったマサカツが、細長いバッグのようなものを取りだして眺めた。
「これは矢筒だ、ほら」
マサカツは現在腰に下げている矢筒と比べて見せた。
「何か見たことがあると思った」
「マジックアイテムのたぐいでしょうか?」
「大層な場所に隠してあったんだからなんぞ使い勝手のあるモノだろうかのう」
パムはミードリとフィスを加えて何やらもそもそと話している。
「うん?文字が刻まれているな・・・えーと・・・之を用いたらば矢が尽きること無かりけり・・・」
「そのままの意味だと矢が無限に放てると言うことになるが・・・そのように都合の良いアイテムなどあるのか?」
「私のプチだってずいぶん都合の良い道具よ、文字通りの意味でもおかしくないと思うわ」
マサカツの言葉を受けてリャヒとヴィーシャは少し怪訝な顔をしている。
「まぁ、今の矢筒と取り換えて矢が尽きるまで撃ってみよう」
マサカツは矢筒とその中身を取り替えてマジックアイテムと思われる矢筒に矢を入れ替えると、それはスウッとおぼろに消えていった。
「矢が消えた!!」
「どうなったんだ??」
ヤヒスはリャヒと顔を見合わせた。




