魔法の矢筒
マジックアイテムと思わしき矢筒に矢を収納すると、それはおぼろに消え、見ている者は驚きの声をあげた。
「これは・・・空間収納ですね、おそらくですが一種の矢が収納されると空間に固定されてそこで無限に矢を保持できる仕掛けが働くのでしょう」
ミードリが眼鏡をなおしつつ言った。
「なるほど・・・とりあえずやってみる・・・毒の矢!!」
マサカツが矢筒に手をあてて叫ぶと毒の矢が手の中に現れた。
彼はそのまま矢をつがえて放ち、連続して5発毒の矢を射た。
「すごい・・・矢の種類を言うとその矢が手の中に現れる、毒の矢は3本しかなかったが5本打てた、これは無限に撃てる可能性を示している」
「それ、すごいわね、弓手は矢の所持数がどうしても限られてしまうのが難点だったのよ、これは反則的なことだわ」
マサカツの矢筒に触れたヴィーシャが驚きの声をあげる。
「それで今はどんな種類の矢を持っているんだい?」
「うん?ああ、普通の矢、毒の矢、スタンの矢、つらぬきの矢、追尾の矢ってところかな」
「それはエルフがくれた物なのかい?」
「ん、普通の矢以外はそうだ、ソヴィルバーレにも似たような矢があるが高価なうえに効き目がうすいんだ、エルフは弓の名手でもあり、弓矢の工作も抜きんでて優秀だから貴重だったんだ」
ヤヒスとマサカツは何やら矢のことで話し込んでいる。
「聞いている限り貴重なエルフの矢が無限に使えるようになったようね」
「弓手の弱点を完全に克服している」
ヴィーシャとパムは漏れ聞こえてくる会話から状況を推察している。
「うむ、スタンや毒は分かるがつらぬきの矢と追尾の矢とはなんだ?」
「うん?文字通りだよ、試してみようか、つらぬきの矢!!」
マサカツがそう叫ぶと矢筒にあてた手の中に矢が現れ、彼はそれをつがえて毒の矢が刺さっている木に矢を放った。
キンッ
高い音と共に目に見えるか見えないかの速度で矢が走り、木を貫通してそのまた後ろにある木に深く突き刺さった。
「見事なもんだわ、硬い魔物でも装甲を貫通する威力だの」
「・・・もしかして魔法防御も貫通するのでは?」
フィスと並んで矢が刺さっている木を見つめてミードリが言った。
「エルフの言うことには魔法を貫通すると言う話だったが半信半疑でね、しかしこれなら魔法を貫通する可能性も出てくるな」
マサカツは鋭い目をして矢が刺さっている木を見つめている。
「じゃあ、追尾の矢は?」
「ああ、一度標的としてとらえた相手がどんなに逃げようとも追尾して突き刺さる矢だとエルフは言っていた、だがどちらも一本づつしかもらえなかったから試すこともできないしいざと言う時の御守り感覚で所持していたんだよ」
ヤヒスの問いに答えたマサカツは追尾の矢を手のひらに乗せてヤヒスに渡した。




