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最終回ヴィーシャの復活

「暑いわよ!!どうして暖炉に火が入っているのよ!?」


「ヴィーシャさん、覚えていないんですか?」

「何のことよ?」


どうやらヴィーシャの記憶は混濁しているらしい。


「私はバーサーカーベアーの物理反射を受けて大けがをして体温が下がったため温めていた・・・?思い出したわ、そうなのね、物理反射を」


パムが説明したらヴィーシャは記憶を取り戻したらしい。


「申し訳ありません、物理反射のことを失念していました・・・」

しょげた様子で頭をさげたミードリに、起き上がったヴィーシャが言った。

「仕方ないことよ、普通に考えて覚えているわけがないもの、突出した私の過ちだわ」


「とにかく薪は火壺に入れて窓を開けて空気を入れ替えようよ」

ヤヒスは立ち上がると窓を開けてまわった。


「むう、しかしあんなに手強い魔物がいるとはな」

「ワシの拳も気にしておらんかった、骨が折れておるのにだぞ」

リャヒとフィスは火かき棒を手にして先の戦闘のことを話し合っている。


「結局誰が倒したの?あなた達がそう言うならよほどの魔物なんでしょう?」

ヴィーシャはコップの水を勢い良く飲んでからそう言った。


「ヤヒスだよ、加速装置を使ってショートソードでベアーを真っ二つにした」

マサカツは毛布を片付けながらヴィーシャに返事をした。


「えっヤヒスが?」

「んぉ?そうだよ加速しすぎて森に突っ込んじゃったけどね、ははは」


ヤヒスは窓枠に腰かけて涼みながら言った。


「言いたいことは分かるぞヴィーシャよ、マスターは剣の腕はあるがワシとリャヒ二人がかりで苦戦した魔物をどういなしたか、だろう?」

「我らも先ほど聞いた所だ、ヤヒスの剣は数打ちの貧相なものだった、だが冒険の中で何度も折れ、そのたびに結合してきた、その数だけ結合で強化されているのだ」


フィスとリャヒは暖炉に背を向け、火かき棒を手にしながらヴィーシャに伝えた。


「なるほど、ずいぶん折ったものね、それで剣の強度はいくつなの?」

「計ってないよ。めんどくさくなっちゃってさ、それに数字にしたら、俺は強い剣の持ち主だぞ~って図に乗に乗るんじゃないかってさ、ははは」


あっけらかんと笑うヤヒスにヴィーシャは「あなたらしいわ」とだけ言って自室に上がって行った。


着替えて階下に降りて来たヴィーシャが椅子に座ろうとした時、なにか金属が落ちるような音がした。


「うん?なにか床に落ちた音だね」

そう言ってヤヒスがテーブルの下をのぞくと、金属の輪が転がっていた。


「何それ?」

ヴィーシャがヤヒスに問いただすと、彼ははたと気付いたように答えた。


「これ、ドルガンで買った一回だけ瀕死を防ぐ腕輪だ」

「と、すると今回のダメージはそれが幾分か肩代わりしたと言うことになるのかな?」

マサカツがテーブルに両肘をついて言葉を発した。


「でも、私は瀕死になったんでしょ?瀕死を防げてないじゃない」

「その腕輪の許容量を上回るダメージがあったと言うことでしょう、おそらく想定外の」


ヴィーシャの話しにミードリが答える。


「ほ、と言うことはそれが無ければどうなっていたことか、と言うところだの」

「ふむ、物理反射とは恐ろしい、いや反射を受けたのは自身の攻撃であるからヴィーシャの攻撃力が恐ろしいと言うことになるのか?」


フィスとリャヒは並んで話し合っている。


他にも今後のクエストのことでパーティーメンバーがざわざわとにぎやかにしている。


「それにしてもみんなには心配かけたわね」

ヴィーシャが気まずそうにしている。


皆口々にヴィーシャに声をかける。


「まだまだこれからだね!冒険者家業は!」

ヤヒスがひときわ大きな声を出した。


今後も黄昏パーティーは様々な地へ冒険に出かけるだろう、その中で成長し歴史に残る冒険者パーティーになるのかもしれない。

冒険はまだまだ続く・・・



これにて終了になります。

多くの皆様に読んでいただき、大変感謝しています。


どうにも主人公が空気になり、特定のキャラにスポットが当たることが多かったように思います、これは書き手の未熟さであると痛感しております。


「結合」と「剥離」のスキルは「魔石」などのアイテムをあらゆるものに付与できるスキルがあったら面白いだろうか?と色々工夫して窮地を乗り切る物語にしていました。

とくに「剥離」は広義の意味で解釈するとかなりチートになるので、それをしないようにしていました。


パーティーメンバーはとにかく色々な個性を集めて、それぞれ仲良く過ごしている空気にしました。

また次の作品ができればリリースしていきたいと思います。

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