第41話
「準備完了ぢゃ。『救世主』様。」
「よし。」
3人娘を、引き連れ、大統領、CIA長官が、松部屋へと向かうサマノ。
そこには、副大統領の時に使った『椅子』が、2つあり、それぞれに、大統領、CIA長官が、座らせられている。
「大統領の猿轡を、外しなさい。」
大統領の猿轡を、外すメイド。
更に、質問の原稿を手に、近づくゾフィー。
何か、大統領の様子が、おかしい。苦しそうだ。まるで、呼吸困難に陥って、喘いでいる。
そんな感じだ。
「首枷が、きついのではないのかや。」
メイドに確認するゾフィー。
「いいえ、そんな事ございません。」
「やむを得ぬ。」
大統領の口に顔を近づけるゾフィー。今度は、英語に切り替える。
《こりゃ、どうした。苦しいのかや。》
突然、メイドに引っ張られて、体を起こす姿勢になったゾフィー。
何と、口をすぼめて、唾を吐きかけようとした大統領だった。
「Fuck You.」
中指も立てていた。
勿論、メイドのファインプレーで、顔を汚す事の無かったゾフィー。
「何をする。僕の腕を離しなさい。」
気付けば、サマノの両腕を、抱え込む幼馴染とポロポだった。
「デハ、何故、前ニ出ヨウトシテイルノデス。」
ここで、自身が、半歩大統領に、近づいている。その事実に、気付いたサマノだった。
改めで、足を元の位置に戻したサマノ。
「僕の腕を離しなさい。」
「信用できないわ。」
「何ぢゃぁ、わらわ1人に、働かせておいて、いちゃつくとは、不届き千万!」
「女伯ハ、早急ニ仕事ヲ片付ケテ下サイ。ソレガ、最善手デス。」
「やれやれぢゃ。」
「おかしい。何時ぞや、アーデルハイドが、米国の『救世主』の手で、トラックの下敷きに、された時、何事もなかった。今、この状況と何か違いが、あるのか。」
等と言う無駄口を叩かないサマノだった。
《さてお主、大統領就任間もない頃、言うておったのぉ。『水責めは有効な拷問方法』ぢゃと。今から、体験するか。》
ここで、幼馴染に、目くばせをするゾフィー。
「かしこみもぉすぅ。」
「Govooooooow!」
水の塊で、頭部を完全に包まれた大統領。勿論、呼吸など出来よう筈も無い。
「止めよ。」
時計を観察し、やめ時を教えるゾフィー。
《未だ、分からぬか。お主は、俎板の鯉。何時でも調理可能ぢゃ。素直な態度にならぬか。》
「Fuck You.」
中指さえ立ててみせる大統領だった。
「こ奴、中々強情ぢゃぞ。如何に差配する。『救世主』様。」
唐突に、気を失う大統領だった。代わりに、意識を回復させたCIA長官だった。
「アーデルハイド、CIA長官に、話しを聞きなさい。」
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