第42話
「よし、CIA長官は、洗い浚い白状してくれた。」
サマノが、そう言った途端、意識を失うCIA長官だった。
「アーデルハイド、再度、大統領から、裏を取りなさい。」
サマノが、そう言った途端、意識を回復させた大統領だった。
《おい女! 誰だか知らんが、私を誰だと思っている! こんな事して只で済むと思うな!》
《第45代米国大統領その人であろう。左様に、咆えずとも、知っておるわ。》
「アーデルハイド、僕の言葉を訳せ。」
LINEのメッセージを、確認するゾフィー。
《おい女! 誰だか知らんが、こんな英語も満足に話せない『劣等民族』に媚びへつらうな! 誇り高きアーリア系民族の、名が泣くぞ!》
《そういうがのぉ、そなた、部下と忠誠心に、恵まれておらぬのぉ。》
《何だとぉ!》
《CIA長官が、洗い浚い吐いたぞよ。外国人……日本の『救世主』を『暗殺』する様、お主から命令じられた、とな。》
《何ぃぃぃ!》
《録音を聞きたくば、聞かせてしんぜよう。》
暫し、CIA長官とのやり取りが、再生された。そして、CIA長官が、全て『認めた』時点で、停止した。
《ふざけるなぁっ! 拷問で獲得した情報など、裁判では無効だ!》
《うつけめ。わらわが、この場におる者達の誰が、裁判官に見えよう。我等は、知りたいだけぢゃ。お主が、誰に、何を、何の為に、命じたのか、をな。》
《そんなに知りたいなら、教えてやろう! 私が、米国大統領が、CIA長官に、米国以外の国地域の『救世主』足りえる者共を、『皆殺し』にしろ。そう命じた! これで満足か!》
《それは、『何の為に』ぢゃ。》
《決まっている。『大国の威信』だ!》
《つまり、米国以外の国地域に、『救世主』が、おっては『大国の威信』に傷がつく。そう申しておる訳ぢゃな。》
《当たり前だ! 米国以外の国地域の『救世主』が、世界を救ってみろ! 米国が、世界の笑い者に成り下がる! 必ず、米国主導で、世界を救う! それが、『大国の威信』だ!》
「うわ、最低。人殺しどころか、皆殺しを命じておいて、それ。」
「以前、『救世主』様ガ、予見シテイタ通リデスネ。」
「翻訳機の調子を、確認したい。僕が、直接話しをしよう。」
「どうぞ、ぢゃ。『救世主』様。」
大統領に、接近したサマノ。その左右斜め後方に、幼馴染と、ポロポが待機する。
既に、両腕は、解放されていた。
「Mr.president。」
まず、翻訳機を介さず、発音の練習をするサマノ。
《何の用だ! 『劣等民族』! 英語も満足に話せない癖に、横柄な態度を取るな! まず、大統領への礼儀を勉強しろ!》
相変わらず、中指を立てたままの大統領だった。
《おまえら! ただでは置かないぞ! 『スパイ』容疑だ! いや、『国家反逆罪』だ! 例え、外国人でも、一生出られない様に、ブチ込んでヤル!》
相変わらず、中指を……以下略……。
《さっき、君は言った『大国の威信』だと。つまり、外国人を何人殺そうが、迷惑をかけようが、許される。そうだな。》
《当たり前だ! お前如き『劣等民族』の命1つで、『大国の威信』を守れるなら、安い物だ!》
《残念だ。君が言う所の『米国の威信』の為に、どれだけの人命が、損なわれ、迷惑を被るか、被ったか、計り知れない。よって、君達は、受けねばならない。『しかるべき報い』を!》
* * *
「よし、終了。撤収準備だ。」
サマノの号令一下、全員が、きびきびと働く。機材の運び出し、車両への積載、簡単な清掃。ちなみに、幼馴染は、そこかしこに、こぼれた水を、乾燥させる事さえ、やってのけた。
矢継ぎ早に、各種作業の完了報告が上がった。そして……
「撤収準備、全て完了ぢゃ。『救世主』様。」
「よし、撤収。」
サマノの声に、全員から諾の答えが、あった。
「Chahhhn!」
CIA長官の泣き声だ。
「Bavooh!」
副大統領の泣き声だ。
「High!」
大統領の泣き声だ。
彼らを、この場に、置き去りにして撤収した。
* * *
明日00:00公開
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